国の目標が「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度」だったにもかかわらず、21年度の雇用均等基本調査(厚生労働省)では、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は12.3%にとどまり、女性の管理職登用は課題です。そんな中、自分の目標とするキャリアを築き、課長として活躍する女性たちは、どのような思いで仕事と向き合っているのでしょうか。今回は、オリンパスのCreative Center(以下、クリエーティブセンター)でマネージャー(課長職)を務める戸井田真希さんに話を聞きました。

戸井田真希(といだ・まき)さん 41歳
戸井田真希(といだ・まき)さん 41歳
オリンパス クリエーティブセンター マネージャー
マネージャー(課長職)に就任は、入社11年目、39歳
【略歴】
2004年 多摩美術大学 情報デザイン学科卒業。パイオニア入社
2010年5月 オリンパスイメージング(当時)入社。デザインセンター配属、デジタルカメラのGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)デザインを担当
2015年 オリンパスデザインセンター(現・クリエーティブセンター)に異動。医療製品のGUI、UX(ユーザー・エクスペリエンス)デザインを担当
2019年 スーパーバイザー(係長職)就任
2021年4月 マネージャー(課長職)就任

【家族構成】夫

より幅広い分野でデザインを経験したかった

 私は芸術系の高校と大学で学び、大学では情報デザインを専攻しました。新卒で入社した会社では、専門職として、カーナビゲーションシステムのGUIをデザインする仕事をしていました。

 2010年にオリンパスイメージング(当時)に転職した理由は、デジタルカメラや医療機器など、より幅広い分野でデザインを経験したかったからです。入社後はデザインセンターでデジタルカメラのGUIデザインを担当し、5年後には医療製品のGUI、UXデザインの担当になりました。当初の希望がすべてかなったのは、面談のたびに上司に希望を伝えていたことが大きかったと思います。このように挑戦したかった分野を進み、現在に至っています。

 当部門には40~50人の専門職社員がおり、5つのスタジオに分かれて仕事を進めていきます。私たちが手掛けるGUIデザインとは、例えば医療機器のボタン操作がタッチパネルになった際に、ユーザーの使いやすさを考慮して画面デザインをすることです。そのためには、製品がどう使われているか、どんな不便があるか、使いやすいワークフローとは何かなど、あらゆる方向から検証していく必要があります。ちなみに製品によってリニューアルのタイミングが違っていて、医療機器は約10年かかります。