2020年度、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は 12.4%でした(厚生労働省、雇用均等基本調査)。19年度の11.9%から0.5ポイント上昇しましたが、まだまだ女性の管理職登用は課題です。そんな中、東証1部上場企業には、自分の目標とするキャリアを築き、課長として活躍する女性たちがいます。どのような思いで仕事と向き合っているのでしょうか。今回は、旭化成 基盤マテリアル事業本部ポリエチレン事業部サンファイン営業部 課長の梶田絵美子さんに話を聞きました。
2000年 京都大学 経済学部卒業
2000年 旭化成工業(現旭化成)に入社 繊維事業部門 不織布事業部 スパンボンド営業部に配属(大阪) ※会社名、部署名は当時のもの
2006年 同営業部の東京担当に異動(東京)
2013年 産休・育休取得(12カ月)
2014年 復職(産休前と同じ部署)
2016年 課長昇格
2020年 基盤マテリアル事業本部 ポリエチレン事業部 サンファイン営業部に異動
【家族構成】
夫と息子(8歳)の3人家族
不織布事業部に配属。ベテランのチームメンバーから仕事の基礎を学ぶ
事業範囲が多岐にわたり、事業を通じて多くのお客様と関わることができる、そうした仕事のダイナミックさに魅力を感じ、旭化成に入社しました。携わる事業について熱く語る先輩社員と就活で交流し、社風を知ったことも動機の一つです。
入社後は繊維事業部門に配属され、紙オムツ、マスクなどに使われる「スパンボンド不織布」の営業を担当しました。課長、先輩、新人の私という3人のチームで、20歳と10歳ほどと年齢の離れたベテランの2人から、仕事の基本を学びました。
当初は営業の仕事に苦手意識がありました。しかし、現場で一つひとつ学びながら、取引先企業との関係を築いていくことの楽しさを理解してからは、やりがいを感じるようになりました。そして、営業としてもっとスパンボンド事業に貢献していきたい、とはいえ新たなチャレンジも必要だなと考えていたとき、同じ営業部の東京担当に。06年から新たな場所で気持ちも新たに、営業としての経験を積むことができました。その後20年まで、同部に所属することになります。
仕事と子育てが両立できるのか。課長職を迷った理由
チームの上司(課長)が異動することになった際、後任の課長職を打診されました。正直びっくりしてしまいましたし、実際に課長になるかどうかについては悩みました。その理由は、当時は子どもが3歳で、私はまだ時短勤務中だったことです。子どもがまだ小さいこの状態でできるのだろうか?と迷いつつも、私は仕事がやっぱり好きだし、途中でやめてしまうことは考えられない。そうなると今、昇進したほうがいいのだろうか……。
いずれにしても、家庭との両立がカギとなりますので、まず、夫と子どもに聞いてみました。幼い子にどこまで伝わったのかは不明なのですが、2人とも応援すると言ってくれました。育休明けのときから、週1回は夫が早く帰宅して、私がフルに働く時間を取れるようにする体制はできていたので、ではやってみよう、ということになりました。
課長に就任した当時は、私含めて5人のチームで、営業のメンバーが2人、社内業務を担当するメンバーが2人でした。
いざ課長になってみると、まず、入ってくる情報の質と量が変わりました。良質な情報を多く得ることで、事業全体にどういう課題があり、どういう議論がされているかが、より明確になりました。そして、これは職種が営業だからかもしれませんが、自分に時間制約のある中で、時には自分の予定に合わせて仕事のスケジュールを決められることも、とても助かりました。