2022年4月以降、雇用保険料が上がります。ところで皆さんは、雇用保険がどんなものかをご存じでしょうか。保険料引き上げで、私たちの月々の負担も増える? 雇用保険料を払う意味って何? 私たちが損をせず、制度を十二分に生かして働いていくために必要な「仕事とお金と制度」の基本を月ごとに取り上げていく連載「ハタラク×お金カレンダー」。ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子さんが解説します。
雇用保険料の引き上げ改正案が閣議決定しました。現在、賃金の計0.9%(一般の事業)を労使で負担しています。このうち0.6%を企業が負担しており、従業員の負担分は0.3%となります。
これが、2022年4~9月は0.95%、同年10月~23年3月は1.35%と2段階で引き上げされます。9月までは会社の負担分が増えるだけですが、10月以降は従業員の負担分が0.5%に上昇することになっており、月給が30万円の人なら、負担額が900円から1500円にアップします。新型コロナウイルス禍が来る前は、失業率の低下傾向などの恩恵により、むしろ従来より低く抑えられていた雇用保険料ですが、コロナ下で給付や助成金の負担が膨らみ、財源が縮小したための引き上げとのことです。
負担増となると、反射的に「払いたくない」と思ってしまいますが、従業員にとって雇用保険に加入する価値はどれほどあるのでしょうか。久しぶりの引き上げを機に、雇用保険の内容を確認していきましょう。

失業時の「お金のセーフティーネット」となる雇用保険だが、役割はそれだけではない