コロナ禍が収まらない中、感染してしまったり、活動が制限されたりすることで、お金の悩みが生じる人も増えています。私たちが損をせず、制度を十二分に生かして働いていくために必要な「仕事とお金と制度」の基本を月ごとに取り上げていく連載「ハタラク×お金カレンダー」。9月のテーマは「コロナ禍で助かるお金の制度」です。ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子さんが解説します。
新型コロナウイルス感染症の不安にさらされる日々が続き、約1年半が経過しました。感染のことだけでなく、コロナによって金銭面の不安や危機に直面する事態も他人事とは限りません。
このコロナ禍で困ったときに助けになるお金の公的制度がいくつもあります。制度の恩恵を受けるためには、申請が必要になりますので、知っているのと知らないのとでは差が出てきます。今回は、会社員やフリーランスとして働いている人に役立ちそうなものを中心に、コロナとお金にまつわる代表的な制度について概要を記載していきます。
コロナ感染は「指定感染症」として公費で負担
コロナで入院したら入院費はどうなるのだろう……。予期せぬ出費に心配になるかもしれません。しかし、医療費のことだけなら、通常の病気と違う「指定感染症」の扱いとなり原則公費で支払われます。ただし、申請が必要なことには変わりません。お住まいの自治体のホームページなどを確認しておきましょう。
次に、入院したために働けなかった場合の収入保障など、生活を支えるための補助制度について順を追って見ていきましょう。
