会社員の人にとっては、そろそろ年末調整のシーズン。とはいえ「何をすればいいか分からない」「面倒でやる気にならない」人もいるのでは。しかし実は、年末調整の手を抜くと損することも…。私たちが損をせず、制度を十二分に生かして働いていくために必要な「仕事とお金と制度」の基本を月ごとに取り上げていく連載「ハタラク×お金カレンダー」。ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子さんが解説します。

 今年も残り少なくなり、年末調整の季節がやってきました。年末調整は、会社員の所得税と住民税の元となる「課税所得」(課税される所得)をハッキリ確定させるための重要な作業です。

 支払う所得税や住民税は、給料支給額の全体(額面)に対してかかるのではなく、そこからさまざまな「所得控除」を差し引いた課税所得に税率を掛け算して決まります。課税所得が小さくなれば税金も少なくなるという仕組みです。

 そして、自分に該当する「所得控除」を職場に伝えると課税所得から差し引いてくれるのが、年末調整という手続きの意味。所得控除が多ければ多いほど課税所得が小さくなるので、自分が使える所得控除がどれだけあるか、正しく漏れなく理解して確実に伝える必要があります。

◆所得税・住民税を決めるポイントは巡り巡って年末調整
(1)あなたの所得税・住民税はいくら?
課税所得 × 所得税の税率 = 所得税の金額
課税所得 × 住民税の税率 = 住民税の金額
→ 課税所得が小さければ、所得税・住民税も少なくなる

(2)あなたの課税所得はいくら?
支給額全体 - 所得控除(※1) = 課税所得
→ 課税所得がどれだけ小さくなるかは、所得控除次第、漏れなくチェックして年末調整!

 ということで今回は、所得控除についてちょっと追求していきましょう。

※1 正確には、所得控除を引く前に、会社員の必要経費に相当する「給与所得控除額」が差し引かれる。給与所得控除額は給料の金額(額面)に応じて自動的に決まる

年末調整の手を抜く&間違えると、取り戻せるはずの税金分を損することも…
年末調整の手を抜く&間違えると、取り戻せるはずの税金分を損することも…

 まず、所得控除は、ざっくりと2つに分けられることを理解しましょう。一つは、あなたの給料の額や家族構成などで必然的に決まる所得控除。もう一つは、保険料のように、あなたが任意で支払ったものによって発生する所得控除です。

 まずは「必然的に決まる所得控除」から見ていきましょう。