この連載では毎月初めに、前月の金融マーケットで起きたこととその理由を、分かりやすく解説。2022年2月は世界の株価が急落するなど、金融マーケットが大荒れに…。その背景にあるのは、ロシアによるウクライナ侵攻という「地政学リスク」の顕在化でした。今後、世界経済はどんな方向に向かうのでしょうか。
【株価】日米ともに全体相場は大きく下落
2022年2月の金融マーケットは、世界の株式市場が下旬にかけて大幅に下落。月末にかけてはやや盛り返したものの、弱気ムードが続いている。米国のニューヨーク・ダウ工業株30種平均(ダウ平均)は、11カ月ぶりに一時3万3000ドルを割り込んだ。日本の日経平均株価も、1年3カ月ぶりに一時2万6000円を割り込む事態になった。日米以外も、欧州など主要株式市場がそろって下落している。
1月も株価下落の傾向は同じだったが、2月の下落は「主因」が異なっている、と、マネックス証券専門役員の大槻奈那さんは語る。それは、下のグラフに表示した日米株価の下落率と比べて、「ロシア株」の下落がはるかに激しいことに表れている。

日米を含む世界の主要国の株価指数は総じて下落しているが、ロシア株は直近だけでも株価指数が半分以下になった