この連載では毎月初めに、前月の金融マーケットで起きたこととその理由を、分かりやすく解説。2022年3月には一時、1ドル=125円台という、2015年以来の水準まで円安・ドル高が進みました。この背景にも、実はロシアによるウクライナ侵攻の影響がありました。世界経済に起きていることと、日本に暮らす私たちにどんな影響があるかを解説します。

【為替】日米ともに全体相場は大きく下落

 ニュースで「円安」という言葉を見る機会が急激に増えている。為替相場は、3月だけで1ドル=115円前後から125円まで、10円も一気に円安・ドル高方向に動いた。ドル円相場は通常、値動きが比較的穏やかで、年間の値動き幅が10円以内だった年もある。この急激な円安進行は、異例の動きだといえる。

為替相場は3月中旬から円安・ドル高が一気に進んだ
為替相場は3月中旬から円安・ドル高が一気に進んだ

 なぜこんなことが起きているのか。3月に世界が注目していた出来事といえば、何と言ってもロシアによるウクライナ侵攻の行方だ。そして経済ニュースとしてインパクトが大きかったのは、米国の金融政策が大きな転換点を迎えたことだ。実はこの2つがいずれも、円安を進める理由になっている。