この連載では毎月初めに、前月の金融マーケットで起きたこととその理由を、分かりやすく解説。4月に入り、ドル高が続いていた為替相場の動きが急に「反転」しました。この動きのメカニズムは? そして株価の動きの背景を分析すると、今の世界や政治が抱える課題が影響していることが分かります。順を追ってみていきましょう。

【為替】4月に入り、急に円安が終わって円高に

 4月になった途端、金融マーケットで一つの変化が起きた。2021年に入ってから3月まで、ほとんど一直線に続いていた円安・ドル高の流れが急に反転したのだ。1ドル=110円台まで達していたドル円相場は、一時は一気に1ドル=107円台まで円高に振れてきた。

 前回記事(株価にワクチンどう影響?なぜ円安に?過去1年相場動き)で書いたように、今年に入ってからの円安・ドル高は、ほぼ「米国金利の上昇」に連動している。日本の金利が上がらないなか、米国の金利が上がると、投資家として米ドルの魅力が高まるので、円を売ってドルを買う人が増えるという仕組みだ。

 このメカニズムは4月も特に変わっていない。4月に入り、米国の長期金利(10年国債利回り)は、1.7%超から一時1.5%台まで急低下している。4月の円高・ドル安は、米国の金利低下と連動していたのだ。「今年のドル円相場は、基本的に米国の長期金利と同じ動きをしています」と語るのは、ソニーフィナンシャルホールディングスの為替アナリスト、石川久美子さんだ。

3月は米国の長期金利が上昇し、円安・ドル高が進んだが、4月に入るとどちらも反転した
3月は米国の長期金利が上昇し、円安・ドル高が進んだが、4月に入るとどちらも反転した

 ではなぜ、米国の金利は急低下したのか?