この連載では毎月初めに、前月の金融マーケットで起きたこととその理由を、分かりやすく解説。9月前半は、日本株が世界の中でも突出した上昇を見せました。しかし9月下旬には、中国のあるニュースをきっかけに、日本を含めた世界中の株が一斉に下落した局面も……。世界経済に何が起きているのでしょうか?

【株価】9月前半は日本株上昇、後半は世界的に株安

 9月の株式市場には、国内外ともに大きな動きがあった。まず、8月末以降、日経平均株価が急上昇し、一気に3万円を超える水準まで到達。前回記事(8月の日本株が世界でも弱い理由 3回目ワクチンと政局)では、世界の中で日本株が突出して弱い状況にあったことを紹介したが、その弱さが早くも解消された形だ。

 一方で、9月の後半に突入するとまた様相が変わり、日経平均株価が急落する日が目立つようになった。なお米国株は9月初旬から一貫して下落基調。例えば9月20日には、NYダウ工業株30種平均(ダウ平均)が一時1000ドル近く下落する場面もあるなど、荒れ相場が続いている。

9月前半は日本株が突出した上昇。後半は世界的に暴落する日が目立った
9月前半は日本株が突出した上昇。後半は世界的に暴落する日が目立った

 なぜ、こんな展開になっているのか。