この連載では毎月初めに、前月の金融マーケットで起きたこととその理由を、分かりやすく解説。2021年10月に史上最高値付近で推移した米国株は、11月に入りやや下落。一方で11月の日本株は下旬まで動きが少なかったものの、日経平均株価が3万円手前の高い水準で推移していましたが、その後は世界中の株価が急落しました。為替は一時、1ドル=115円を超える円安が進んでから113円付近まで逆戻り。高騰が続いていた原油価格はやや下落しました。この背景では何が起きていたのでしょうか?
【株価】米国株が初旬から下落、月末は世界中が急落
2021年11月の金融マーケットは、10月と比べれば全般的に落ち着いた動きだったが、26日に南アフリカで発見された、新型コロナウイルスの新たな変異株(オミクロン)のニュースが流れた後は大混乱となった。
10月に勢いよく上昇していた米国株は、11月初旬から下落傾向になっているが、オミクロン株の登場までは、急落というわけでもなく静かな推移だった。単に急上昇し過ぎた分の「利益確定売り」が出ているだけとも思えるが、米国株を取り巻く環境はどうなっていたのか。

米国株は11月初旬まで勢いよく上昇し、その後はやや下落している。日本株は上昇後、3万円手前で小動きしていたが、26日に急落(日本株については3ページ目以降で後述)