リーマンショック、アベノミクス、コロナ禍……。さまざまな出来事を経て、世界や日本の経済は大きく変わりました。私たちが資産形成のためにどうすべきかというセオリーも、平成と比べて変化が。第1回はこの時代に取り入れたい資産形成の考え方をまとめます。

 私たちの資産形成のあり方が、一つの転機を迎えている。リーマンショックやアベノミクス、コロナ禍などがあったこの時代に、10年以上の長きに渡り続いていた一つの経済トレンドが、終わりを迎えようとしているのだ。

 それは、「金利の低下トレンド」

 下のグラフを見てほしい。日本、米国、欧州の長期金利(10年物国債利回り)の、過去15年間の推移を示したグラフだ。欧州の金利は国によって異なるが、代表的なものとしてドイツ国債の金利を表示している。

日本・米国・ドイツの長期金利の推移のグラフ、世界の金利は過去10年以上も下がり続けていた、米国は金利が下がりにくかったがコロナ禍で急低下、日本や欧州の金利はゼロやマイナスに

 ご覧の通り、世界の金利は一貫して下がり続け、日本と欧州は既にゼロ金利、場合によってはマイナス金利に達している。それに比べて米国は比較的高い金利を維持していたが、コロナ禍以降についに長期金利が1%を割り込んでいた。

 金利の低下が続いていたのは、金利が下がると経済活動が活発になりやすいので、意図的に低金利にする政策(金融緩和)が各国で行われていたから。米国と比べて、日本や欧州は経済に不安を抱える状態だったため、金利をゼロ以下にして、何とか景気を刺激しようとする政策が続いていた。

 そこにコロナ禍が来て、米国でも空前の規模で金融緩和が行われた(関連記事・株価にワクチンどう影響?なぜ円安に?過去1年相場動き)。主要な先進国の金利が軒並みゼロに近づき、「これ以上、金利が下がることはあまり考えにくい」とすら言える状況になったのだ。

 そして、新型コロナワクチンの接種が進み、経済の正常化への期待が高まってきた2021年以降、米国の長期金利は一転して上がり始めた。コロナ禍という非常事態ゆえに、通常ならあり得ないレベルまで下げていた金利が、ついに「正常化」し始めたと言える。

 話をまとめよう。過去10年以上は「金利が大きく下がり続ける歴史」だったが、今後は「もうこれ以上金利は下がりにくい、むしろ上がりやすい」時代に入る。実はこのトレンド転換は、私たちの資産形成、特に「投資」のセオリーに大きな変化をもたらし得るのだ。次のページで解説する。

今後の資産形成のセオリーは何が変わる?
今後の資産形成のセオリーは何が変わる?