リーダーシップを発揮するためのスキル

 テレワークにおける大きな課題は「チームワークや一体感の欠如」。メンバーのメンタルヘルスに考慮しながら、効果的なリーダーシップを発揮するにはどのようなスキルが求められるのだろうか。

 「一つはクリティカル・シンキングのスキルです。批判的思考とも呼ばれ、起きている事象を構造化し意思決定をするための論理的な考え方です。たとえば『物流クレームが増加しているが、どうすれば減らせるか?』という課題に対し、メンバーそれぞれに様々な解決策を持っています。もし論理的に理解できていないと、色々な意見に流されてしまい対策案がまとまりません。クリティカル・シンキングのスキルがあれば、『そもそもなぜクレームがあるのか』『クレームの根拠は何か』と事象を構造化し整理しつつ、メンバーの提案をまとめることで、対策の意思決定ができます。

 さらに、メンバーへの期待やゴールを具体的に設定して成長を促すことも重要です。メンバーの状況や能力を把握し、期待値に対してどれくらいの開きがあるか明確にすると、その先の方法が見えてきます。もし期待値をはっきりさせないと、どこまで自分のミッションとして業務をやればいいのかメンバーが分からず、思い込みによる勘違いが発生し業務に支障をきたす場合も。期待値を設定する期間は1年や数カ月後など長期的ではなく、1~2カ月程度にし、こまめにフィードバックしながら進めていくとよいです」

 次回は、社会に出たばかりの世代が企業でリーダーシップをとるためのポイントを紹介します。

取材・文/松永怜 写真/PIXTA