Z世代の女性リーダーに学ぶ

 リーダー層への女性登用はまだまだ少ないのが現状だ。「今後、より多くのZ世代の女性がリーダーとして活躍するためには、社会の受け入れ態勢が不可欠だ」と伊藤さんは言う。

 「女性リーダーが活躍するために必要なのは、社会全体が力を合わせてまずは女性のリーダーを増やすこと。数だけではないかもしれないけれど、まずは数で均等にならないと多様な意見が通らないと思うのです。ここは、男性側の意識もかなり重要になってきますね」

 社会の受け入れ態勢が整うのを待つだけでは進まない。そんな中、伊藤さんはリーダーを目指すZ世代は、同じZ世代の女性リーダーを参考にするといいと話す。参考になるリーダーとして2人を挙げてくれた。

 1人目はNO YOUTH NO JAPANの代表・能條桃子さん(23歳)。NO YOUTH NO JAPANとは、U30世代(30歳未満の人)に向けて政治や社会を身近なものにしようと運動をしているNPO団体。インスタグラムをはじめとしたSNSを駆使して、世の中に向けて積極的に発信している。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森元会長による女性蔑視発言の際、「森さんの処分の検討を求めます」と署名運動を主催した人物でもある。

 「能條さんは気張らないリーダーシップをとる方です。署名運動をしたとき、称賛ばかりではなく、『若者のくせに』『政治なんて分からないだろう』と否定的な投稿も目にしたそう。そういった現状の中で、『さらに次の世代にこのモヤモヤを引き継がせたくない』と果敢に行動している姿に僕も心を動かされました」

 2人目はTimeLeapの仁禮(にれい)彩香さん(23歳)。中学2年生のときに教育を変えたいと起業して、学校コンサルや研修開発、CSR支援など展開。現在では、小中高生向けのオンライン起業家教育プログラムのTimeLeap Academyの運営も行っている。

 「仁禮さんは小学生のときから社会問題に関心があったそう。『自分たちが日本の教育を変えていく』という強い当事者意識を持ち、起業や母校の買収などを経て、教育事業に取り組んでいます」

 両者とも共通しているのは、男性優位カルチャーが残る世の中で、臆することなく社会課題を解決するべく頑張っているところ。「ジェンダーギャップに起因する困難もあったと思いますが、それを乗り越えて、前向きに果敢に社会と向き合っていることが、Z世代のリーダーとして大きな魅力です」

取材・文/松永怜 写真/PIXTA