ライフラインチャートを作成して過去を振り返る

 伊藤さんは過去を振り返る方法として、ライフラインチャートの作成を提案する。ライフラインチャートとは、自分がこれまで生きてきた道筋を「幸福感の高低」によって1本の線で表現したもの。以下4つの手順で進めていく。

ライフラインチャートを作成する手順
(1)過去を振り返る
(2)横軸に時間、縦軸にそのときの幸福度を点で打つ
(3)それぞれの出来事に関するキーワードを書き出す
(4)横軸を線でつなぐ

 「例えば私のライフラインチャートは、中学時代はテニス部で活躍し、高校時代では部活をクビになり失恋も経験しました。その後東大へ進学し、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行したのち27歳で鬱になるも回復。東日本大震災では物流復旧リーダーとしてチームをけん引した後に、ヤフーへ転職します。

 誰でもその時々によって上り調子、下り調子の波形があるもの。私は高校時代から27歳までの10年間は自分にとって、とても苦しい時代でしたね。しかし、『テニス部をクビになって落ち込んだこと』『鬱で将来が不安になったこと』がなぜ苦しかったのかを内省することで、示唆や気づきを得ることができました

 人によっては「書き出すほどの人生ではない」あるいは「過去と向き合うのがつらい」と思う場合もあるだろう。伊藤さんはそれでも、「過去の経験は自分しか持っていない貴重な財産だと思い、振り返る機会をつくってほしい」と提案する。

 「私なんて……と卑下する必要はありません。自分で自分をかわいがらないで、誰が慈しむのでしょうか。すべての人がオンリーワン。オンリーワンということは、自分の中ではナンバーワンなのですよ