リーダーに求められる想像力

 リーダーがしてはいけない考え方にも注意したい。

 「自分のことを偉いと思っていたり、メンバーを意のままに管理しようとしたりするリーダーは自分自身もチームもリードできず、うまくいかないケースが多いですね。言動はメンバーもよく見ているので、リーダー自身が熱狂しているか否かはすぐに分かります。

 また、『上司から言われた通りに指示出しをする』という受け身の姿勢も要注意。もちろん、上司に反論すればいいわけではありません。リーダーとして『譲れないものか』『受け入れてもいいと思うことは何か』という軸を知っておくといいですね」

 それを踏まえたうえで、今後リーダーにより求められることを最後に聞いた。それは「想像力を持つ」ことだという。

 「テレワークでは直接会話することが減りました。だからこそ、『今取り掛かっている作業を続けることによってチームはどう変化するのか』『このメンバーの意見はチームの意思決定にどうかかわるのか』など、一つの事象について広い視野で想像する力が求められます。想像力があれば想定外の事案が起きても冷静に対処できますし、豊富なアイデアも生まれやすくなります」

 伊藤さんは想像力を養うために日ごろスケッチブックを持ち歩き、キーワードを書き留めている。

 「スケッチブックにキーワードとそこから連想するものに矢印を描いてどんどんイメージを展開させています。友人とランチをしながら気軽に自分の想像を言葉に出していると、次々と話が膨らむことも。なかなか人と話す機会がありませんが、頭の中だけで考えていても前に進みません。オンラインでも構わないので誰かと話しながら、想像力を豊かにする機会をつくってみてください」

取材・文/松永怜 写真/PIXTA