メンタルの低下は誰にでも起こり得ること。Zアカデミア学長や武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長など、第一線のリーダーとして活躍している伊藤羊一さん自身も今まで幾度となく、気持ちの浮き沈みと向き合ってきたそうです。今回は、リーダーがメンタル不調になったときの対処法を聞きました。

 メンタルが不調になる理由は人それぞれ。例えば仕事が忙しいと、心に余裕がなくなりストレスを感じやすくなる。リーダーであれば、なおさらだ。伊藤さんは、忙しさについてこう説明する。「同じ仕事量でも、メンタルに影響を及ぼす忙しさと、あまり影響を及ぼさない忙しさがある」

 「忙しさとメンタルの関係は、2種類あると考えています。1つは明確な目標に向かって、忙しいながらもまい進しているとき。もう1つは明確な目標がないまま、ひたすら忙しいときです。同じ仕事量でも、前者はアドレナリンが出ているので、その忙しさに心地よさを感じることさえあります。しかし後者はプレッシャーからは解放されているものの、『何のために仕事をしているか』『やりがいがなく、何となくつらいなぁ……』と自問自答してしまい、一人で抱え込むようになってしまいます」

 その他にも、リーダーとして人間関係に悩んだり仕事で失敗したりなど、ちょっとしたきっかけで気持ちが下がるケースはいくらでもある。では、メンタルが低下したときにはどのような対処法があるのだろうか。伊藤さんが実践しているのは以下の3つ。

メンタル不調になったときの3つの対処法
(1)人との関わりを休む(シャットダウン)
(2)「一行書くだけ日記」を書く(振り返り)
(3)環境を変える(転換)