メンバーとフラットな関係を築く

 従来は上司と部下の関係が厳しく、「縦社会は当たり前」という職場が多かった。

 「昔は上司の言うことに対して、部下はいかに正確に動くかが問われましたし、入社年次で定められたヒエラルキー型組織を忠実に守ることがよしとされていました。しかし、今は役職やポジションに関係なく、そのとき適任のメンバーがリーダーとしてチームをけん引する組織が主流になっています」

 今まで常識と考えられていた縦社会は崩壊し、フラットな関係性に変化したことで、リーダーに必要な能力も変化している。

伊藤さんは「リーダーが自分自身を理解しつつ、メンバーの意見や考えを取り入れれば最強のチームをつくれる」と話す
伊藤さんは「リーダーが自分自身を理解しつつ、メンバーの意見や考えを取り入れれば最強のチームをつくれる」と話す

 「リーダーは一方的に指示を出すのではなく、メンバーが輝けるよう先導することが大きな役目になっています。つまり、一人ひとりの意見やアイデアを尊重し、各自が能力を最大限に出し合って業務を遂行させる能力が、これからのリーダーに求められているのです」

 一方で、昔ながらのヒエラルキー型組織を重要視する企業もまだ健在している。伊藤さんは令和に入った今も、そのような組織をたくさん見てきた。「今はまだら模様のように、組織に対する新旧の考え方が世の中に混合している時代」だという。

 「今後、従来の価値観を引きずっている企業は生き残りが厳しいでしょう。縦社会で下の立場にいると、思考の停止した指示待ち人間になってしまい、組織ひいては企業の経営不振につながります。そのような組織に所属しているリーダーは、時間をかけてでも『フラットな組織』をつくる柔軟な目線を持ち続けることが大切です」