まず、フィジーの新型コロナ感染状況ですが、2020年3月、最初の感染者が確認されてからすぐにロックダウン措置が取られるなど、政府が迅速に対応しました。フィジーの日本大使館の発表(2021年4月1日時点)によると、2020年4月17日以降、この1年間の市中における新規感染事例はゼロでした。

 だからといってコロナの影響もゼロなのかというとそんなことはありません。フィジーは観光立国で、観光・砂糖・衣料が三大産業です。国境が閉じられている現在、観光業は壊滅的なダメージを受けていますし、多くの人が失業しました。

 ただ、そんな状況でも世界一になったことのある幸福度はダテではありません。家庭菜園や物々交換、相互扶助などの手段を駆使しながら、国民はたくましくサバイブしています。

伝統的なフィジー戦士の装いをした子どもたち。フィジー人男性の力強さをあらわし、祭りなどの催事にはこの装束で参加する(写真/永崎さん提供)
伝統的なフィジー戦士の装いをした子どもたち。フィジー人男性の力強さをあらわし、祭りなどの催事にはこの装束で参加する(写真/永崎さん提供)

フィジー流のコロナサバイブ術 物々交換

 その一つが物々交換です。Facebook上に「Barter for Better FIJI」という物々交換用のページが立ち上げられ、ヤギ1頭とスマホ1台が交換されたり、カヤック1艘(そう)と子豚2匹が交換されたりと、日々、にぎわいを見せています。

 そのページのユニークなところは「お金でのトレードは禁止」と明記されている点です。お金での取引は「助け合う」感覚を奪っていくからです。このように「お金が生まれる前の世界」へ回帰していくようなフィジーの動きはBBCニュースや日本のメディアなどでも取り上げられ、世界から注目を集めています。