フィジーで英語学校の校長を務める永崎裕麻さん。2020年春から「日本・フィジー・デンマーク」の世界3拠点生活(トリプルライフ)を送る予定でしたが、コロナの影響もあり、現在はフィジーに滞在しています。今回のテーマは「終活」について。永崎さんは30代で終活を始めたそうですが、その理由は? またフィジー人の死生観もあわせて紹介します。

30代終活を勧める理由は

 僕たちはいつか必ず死にます。

 にもかかわらず、「まだまだ先のことだから」「縁起が悪いから」と、そのファクトに向き合おうとしません。特に若いうちは。

 僕は「死(人生のタイムリミット)」は「よりよく生きる」ための最強のモチベーションスイッチだと思います。「なんとなく考えたくない」という理由で放棄するには、もったいなさすぎます。締め切りを意識するからこそ、後悔なき人生を歩むことができます。

 今では「終活」という言葉も一般的になりました。みなさんは何歳くらいで終活を始めようと思っていますか?

 楽天インサイトの調査によると、回答者の6割以上が60~74歳の間に終活を始めたいと回答しています。

 そして、終活をする理由のトップ5は次のようになっています(複数回答)。

1 家族に迷惑をかけたくないから(71.4%)
2 病気やけが、介護生活で寝たきりになった場合に備えるため(48.6%)
3 葬儀などの希望を家族に伝えるため(38.9%)
4 自分の人生の終わり方は自分で決めたいから(38.6%)
5 自分の人生の棚卸し、整理をしたいから(34.9%)
(調査実施機関:楽天インサイト/調査対象者:20歳~69歳の男女/回答数:370人(男性148人、女性222人)/調査期間:2018年1月19日から1月20日)

 僕は30代くらいから終活を始めるのもいいと思っています。

 なぜなら、終活は「人生の後悔をゼロに近づける活動」で、終活すべき最大の理由は「これからの自分の人生をよりよくするため」だと考えているからです。

「これからの人生をよりよく生きる」ための終活を始めてみよう
「これからの人生をよりよく生きる」ための終活を始めてみよう

 前述の調査では39歳以下で終活を始めたい人は2.2%しかいませんが、人生でやり残したことが発生しないように、先手、先手で攻めていくためにも「30代からの終活」をオススメします。いわば「学生時代の夏休みの宿題を早めに終わらせて、残り期間は思う存分に自由を満喫して過ごす」というイメージです。

 僕自身は30代後半から終活を始めました。きっかけは日本に一時帰国していたとき、地元大阪の公民館で開催されていた「終活セミナー」にふらっと参加したことです(約200人の参加者のうち、見たところ僕がダントツで最年少でした)。そのときの講師がエンディングノートを勧めていて、購入したのが最初でした。僕はいつも変わったことをしているので、エンディングノートを買ってきても妻は特に驚いてはおらず、「ふうん、そうなんだ」という反応でした。