選択に迷わない3つのメソッド
(1)選択肢の一択化
重要な案件に集中力を使うため、その他案件には選択肢を一択化しておくといいでしょう。まさに「選択と集中」が必要です。
スティーブ・ジョブズが生前、いつも「黒のタートル + ジーンズ + スニーカー」という同じファッションだったことは有名です。さまつなことに関しては最初から選択肢を一択化しておき、決断疲れを回避します。
僕自身はカフェでの注文は必ずカフェラテ、人へのプレゼントはフィジー・ウオーターと決めています。選択肢を一択化できそうなところから始めてみましょう。
(2)選択肢から距離を置く
ときには選択肢を「見える化」してくるもの(SNSやテレビ、雑誌、ショッピングなど)から距離を置くのもいいでしょう。選択肢が目に入らなければ、迷うこともありません。
また、思い切って選択肢の少ない場所へ移住してしまうのもアリかもしれません。リモートワークが普及したことで、地方移住がかなり現実的になりました。選択肢が限定された環境に身をおくと、ノイズフリーなライフスタイルを確立できるかもしれません。
(3)選択ルールの設定
僕たちは常に「最高の選択」をしようとしがちです。あらゆる選択肢を比較して、どれが「価格」「品質」などの観点で総合的にベストなのかを見極めるために、時間を大量に消費してしまうことがあります。そうならないように、選択時の「マイルール」を決めておくといいでしょう。
例えば「タイムリミットの設定」。自分の人生にとってそれほど重要でない選択の場合、なるべく短く時間を制約し、本当に重要な選択に気力と時間を温存しましょう。
「シンプルな意思決定」を心がけるのもいいと思います。片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんは、「ときめくかどうか」で手元に残すものを決めることを提唱しています。そういった直感的な選択スキルを習得していくと、選択にかける手間と労力が省けます。
でも、実は選択に明確な根拠なんてなくていいのかもしれません。「なんとなく」も十分な選択理由です。「最高の選択」をするより、「した選択を最高にしていく」ことに注力すれば、より自由に生きられるでしょう。
自分軸を大切にして、自由に生きる
福沢諭吉は「Liberty」を「自由」と訳しました。
自らを由(よし)とする。自由を極め、納得感の高い選択をするためには「自分軸」が重要です。
日本人は「他人に迷惑をかけてはいけない」という呪縛が強すぎて、「他由」で生きている人も多いですね。他人が由(よし)というかどうかが気になり、「ランキング好き」だったり、行列のできる店に並んだりするのも、他人の評価を重視するからでしょう。
冒頭に書いたように、日本は法的にはかなり自由な国です。自己裁量権を存分に活用できる人にとっては、日本はパラダイスとなり得ます。その環境を生かすも殺すも、最終的には自分次第なのだと思います。
より自由に。より幸せに。自分が心から望む選択をすることが、これからのライフスタイルの主流となるでしょう。
日経doors時代のコラムから日経xwomanの新コラムまで長きに渡り、記事を読んでくれた皆さま、本当に感謝を申し上げます。いつか世界のどこかでお会いできる日を楽しみにしています!
文/永崎裕麻 写真/永崎さん提供(フィジー人物写真)
PIXTA(イメージ写真)