「2020年代の可能な限り早期に」社会の指導的地位に占める女性の割合を30%程度にするという政府目標から、女性の活躍は管理職になることだと捉えられる傾向があります。果たして本当にそうでしょうか。近畿大学教授の奥田祥子さんに聞きました。

 政府は2003年、「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度となるよう期待する」という目標を掲げました。2020年12月には「2020年代の可能な限り早期に」と達成時期を先延ばししたものの、引き続き女性の社会進出を後押ししています。

 「指導的地位」という言葉から、女性の活躍とは管理職に就くことだと捉えられがちですが、決してそうではありません。指導的地位とは、2007年の男女共同参画会議で決定された定義によれば、(1)議会議員、(2)法人・団体などにおける課長相当職以上の者、(3)専門的・技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者で、管理職と限定されていません。

 また、2015年に成立(2016年に完全施行)した「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(通称、女性活躍推進法)を巡るメディア報道も、女性活躍の誤ったイメージを助長する原因になっています。同法では、常時雇用する労働者数が301人以上の企業には、女性管理職比率の目標設定などを義務づけています。そのため、メディアが女性活躍を報道する場合、数値として分かりやすい管理職比率に焦点を当てるケースが多く、企業で「女性活躍とは、管理職を増やすこと」という短絡的なイメージが定着してしまったのでしょう。

 指導的地位に占める女性の割合を増やす政策は、企業で女性が活躍できる場を増やす手段の一つ。管理職になることだけが、活躍する手段ではありません。

「指導的地位に占める女性の割合を増やす政策は、企業で女性が活躍できる場を増やすための手段の一つに過ぎません」(奥田さん)
「指導的地位に占める女性の割合を増やす政策は、企業で女性が活躍できる場を増やすための手段の一つに過ぎません」(奥田さん)