男性を苦しめるジェンダー不平等とは?

 厚生労働省は、男女雇用機会均等法の第8条「女性労働者についての措置に関する特例」に基づき、企業内での固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から、「営業職に女性はほとんどいない」「課長以上の管理職は男性が大半を占めている」などの差が男女労働者の間に生じている場合に、この差を積極的に解消する取り組み「ポジティブ・アクション」を推奨しています。

 職務に関して女性が不利と見なされる環境がある場合、女性を優遇する形で改善しても法違反にあたらない、というものです。このように、少しずつ、女性が働きやすい環境整備は進んでいます。

 しかし、ジェンダーの不平等は女性だけの問題ではありません。男性にも存在します。

 例えば、パタハラ。正式名称はパタニティ・ハラスメントです。パタニティは父性を意味し、男性が育児休業などを取得することに関し、上司や同僚が嫌がらせをしたり、左遷などの「不利益取扱い」をしたりすることを指します。これでは、いくら社会が「男性も育児に関わることで女性が働きやすくなる」と訴えても、男性は積極的に育児休業を取得できません。

「男性も育児に関わることで女性が働きやすくなる」と訴えても、パタハラがあると、男性は積極的に育児をすることができない(写真はイメージ)
「男性も育児に関わることで女性が働きやすくなる」と訴えても、パタハラがあると、男性は積極的に育児をすることができない(写真はイメージ)

 厚生労働省が発表した「令和元年度雇用均等基本調査」によると、事業所規模5人以上の会社のうち、79.1%に育児休業制度があります。事業所規模500人以上では 99.8%と、ほぼ100%が育児休業制度を設けています。しかしながら、実際に制度を利用した人を男女別で見ると、女性は83.0%、男性は7.48%(*)と、男女で大きな差があります。

 育児休業の取得による収入減や人手不足など、パタハラ以外にも男性が育児休暇を取りにくい原因はありますが、男性が育児休業を取ることは、男女共に、仕事と家事の両立のしやすさにつながります。結果、女性が担うことの多かった育児、家事負担が軽減され、家の仕事を優先して管理職を諦めていた女性たちが、キャリアアップを目指せるようになります。

(*)平成29年10月1日から平成30年9月30日までの1年間に在職中に出産した女性、もしくは出産した配偶者がいる男性のうち、令和元年10月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申し出をしている者を含む)