ラジオ番組の「お悩み相談コーナー」で活躍するラジオパーソナリティー、ジェーン・スーさんの役を、俳優・吉田羊さんが演じる、ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』。それにちなんで、吉田さん自身の「生きるとか働くとか」について、詳しく聞く新連載。第1回は、俳優を目指したきっかけや、ポジティブ思考で仕事をする方法についてです。

―― デビューから約20年。吉田さんが俳優を目指したきっかけを教えてください。

吉田羊さん(以下、敬称略) 直接的なきっかけは、就職活動する仲間を見ながら抱いた、勤め人になる自分への違和感でした。

 もともと、人前で歌ったり踊ったりするのが好きで、子どもの頃はよく、松田聖子さんや中森明菜さんのものまねをして遊んでいました。他にも、ドラマを見ながら役者さんのまねをしたり、おままごとをしたり……とにかく、自分じゃない何者かになることが好きでした。両親も「いつか俳優になりたいって言うんじゃないか」と感じていたそうですが、大学へ進学しても、俳優を将来の職業とする自分には、まだたどり着けずにいて。

 いざ就職活動するべき年に突入してみると「自我が強くて、群れるのが苦手な私が、会社に腰を据えるなんて想像がつかない!」と、心がザワザワし始めました。一度そう思い始めたら止まらなくて。さて、就職しないなら、何をしよう……そのとき思ったのが、俳優への道でした。

「自我が強くて群れるのが苦手な私が、会社に腰を据えるなんて想像がつきませんでした」
「自我が強くて群れるのが苦手な私が、会社に腰を据えるなんて想像がつきませんでした」