小さい頃から人前で歌手や俳優のまねをするなど表現することが好きだったという吉田羊さん。「生きるとか働くとか」について聞く連載最終回のテーマは、そんな吉田さんをほどよい距離感で支えた「家族」についてです。

―― 吉田さんは学生時代、一度は企業への就職を考えたにもかかわらず、最終的に俳優の道を選びました。両親は反対しませんでしたか?

吉田羊さん(以下、敬称略) 俳優になると決めたことは、両親には事後報告でした。電話で一言、「俳優になる」って伝えて。両親は「そうすると思っていた」と言って、快く賛成してくれました。

 大学時代、私が舞台に出演したとき、両親を招待したことがありました。そのときも、とてもうれしそうにしていました。娘が舞台でいきいきと演じる姿を見て「楽しそうにしているな」と、安心してくれたのだと思います。

「俳優になると決めたことは、両親には事後報告でした。両親は『そうすると思っていた』と言って、快く賛成してくれました」
「俳優になると決めたことは、両親には事後報告でした。両親は『そうすると思っていた』と言って、快く賛成してくれました」

俳優をやめたい…そんなとき、親には一切話さなかった

―― 俳優になってから、両親に仕事の悩みを話すことはありましたか?

吉田 一切しないです。俳優をやめたいと思ったことも何度かありましたが、そのとき親には相談しませんでした。何も話さないことを、親は尊重してくれていました。向こうから聞いてくることもありません。私を信じてくれていたんだと思います。

 母は亡くなりましたが、生前はよく「嫌になったらやめていいからね」「いつでも帰っていらっしゃい」とだけ、言ってくれました。それは、父も同じです。