ジャーナリストやリポーター、教える立場として、さまざまな「聞く」スキルを磨いてこられた池上彰さんと増田ユリヤさん。お2人が語る「聞く力」の極意を教えてもらいました。

編集部(以下、——) 下記のアンケートによると、日経WOMAN読者の4割以上が「聞き上手ではない」と思っています。インタビューの名手のお2人はどうやって「聞く力」を身に付けたのですか?

■日経WOMAN読者の「聞く力」アンケート結果(1)
Q. あなたは聞き上手なほう?

池上彰さん(以下、池上) 昔は本当にインタビュー下手だったなと思いますよ。今なら初対面の相手が硬くなっているなと思えば、ちょっと雑談をして場を和ませるのですが、若い頃は自分が緊張していて、それどころじゃなかった。

増田ユリヤさん(以下、増田) 失敗ばかりしていました。自分はそんなつもりで聞いたわけではないのに、相手が怒り出すなんてこともありました。ただ、いつも心がけているのは、相手が言いたくないことは聞かない。こういう話はしづらいだろうなと思うようなことは、「もしお話をしていただけるのだったら、お聞きしたいのですが」と一言添えてからインタビューをします。聞く態度で相手の態度も変わりますから