異例の3期目に入った習近平国家主席、ゼロコロナ政策に対する学生デモ…中国の今を池上さん、増田さんの2人が語ります。
大学生たちのデモが中国政府を動かした
編集部(以下、——) 中国は厳格なゼロコロナ政策を昨年12月に緩和、急激な方針転換をしました。
ゼロコロナ政策解除の経緯
●2022年11月24日
新疆ウイグル自治区の火災で10人が死亡。
ゼロコロナ政策が被害を広げたとネットで広がる
●11月26日〜
「言論の不自由」に学生らが抗議するデモ、「白紙革命」が上海や北京などで広がる
●12月7日
政府が移動制限などの規制を大幅緩和
●2023年1月8日〜
政府が「ゼロコロナ」政策を終了へ。中国人の海外旅行、順次再開
新疆ウイグル自治区の火災で10人が死亡。
ゼロコロナ政策が被害を広げたとネットで広がる
●11月26日〜
「言論の不自由」に学生らが抗議するデモ、「白紙革命」が上海や北京などで広がる
●12月7日
政府が移動制限などの規制を大幅緩和
●2023年1月8日〜
政府が「ゼロコロナ」政策を終了へ。中国人の海外旅行、順次再開
増田ユリヤさん(以下、増田) 経済へのダメージが深刻だったことと、11月下旬に起きた学生たちの大規模な抗議活動が影響したのですよね。
池上彰さん(以下、池上) 中国の大学生は基本的に寮生活をするのですが、ゼロコロナ政策で寮から出られるのは1日1時間、校内の散歩だけなど大幅に制限され続けました。たまった不満が噴出したのだと思います。
増田 デモの発端となったのは、11月末に新疆ウイグル自治区のマンションで発生した火災でした。感染対策で避難経路が閉鎖されていたため、消火活動が遅れて死者が出たという情報がSNSで拡散したのです。
池上 ちなみに新疆ウイグル自治区で抗議の声を上げたのは漢民族であって、ウイグル人ではありませんよ。彼らは深刻な人権侵害を受けていて、そんな行動は一切できませんから。