1985年生まれの女性の約2割が90歳まで生きる時代。年を取る不安とどう向き合えばいいのか、池上さんと増田さんの2人に聞きました。
高齢者は集団自決!?「成田発言」をどう考える?
編集部(以下、——)今回は年を取る不安とどう向き合うかです。経済学者の成田悠輔さんの「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」という発言が話題になりました。「世代交代を真剣に考えたほうがいい」という趣旨のようですがどう感じられましたか?
増田 素朴な疑問ですが、高齢の方が早期に引退すれば若者の仕事は増えるのでしょうか?
——厚生労働省の『世界の厚生労働2007』によると、EC(現EU)各国で若年失業者対策として高齢者の早期引退を促したが効果はなかったようです。
池上 年配者が早く引退すれば、若い世代が重要な役職に就きやすくはなります。
増田 雇用が増えるかではなく、ポストが得やすくなる。
池上 社長を辞めた後も取締役会長として権力を握り続ける経営者がいると社員は社長と会長の両方に忖度(そんたく)することになり、若い人があきれ果てて会社を辞めていくという例も聞きます。
増田 経験豊富なシニアが現場に残って若手に仕事を教えるのはいいと思いますけれど。ひとくくりに高齢者ではなく、人によりますよね。
池上 成田氏の発言は、趣旨としては分からなくはないけれど「役に立たない人間は不要」に通じる表現は危険ですし、「集団自決」という言葉は使ってはいけません。沖縄の人たちにとって、特別な意味がある言葉です。第二次世界大戦でアメリカ軍の捕虜にならずに自殺をしろと強いられてたくさんの方が亡くなられた歴史がありますから。
A. 高齢者が早く引退する=若者の仕事が増えるとは限らないのでは?(増田)

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