他では見られないコスプレやクッキングも

—— 時々コスプレもしていますよね。「コーヒーの歴史」の回では池上さんがギャルソン姿でした。

増田 「餃子のシルクロード」を切り口に歴史の話をした回では、餃子作りにも挑戦してもらっています。歴史でもニュースでもこんなところから見たら理解しやすいよ、というものを作りたいですから。それと、テレビとは違う池上さんを見せたいという思いが私にはありますね。ただ最初、編集スタッフは「池上さんのお仕事だから」と遠慮されていて…。

池上 「GPSの仕組み」の回かな、私が説明しても増田さんにすんなり分かってもらえなくて苦心惨憺(さんたん)したのですが、出来上がってきた動画を見たら、理路整然と私が説明して、増田さんがすぐに理解したみたいな編集になっていた。「池上の解説がうまく届かずに焦る場面も出したほうがいい」と言ったら、どうやら「いじってもいいらしい」と気づいてくれた。

—— だから、普段のテレビ番組とは違う2人が見られるわけですね。

池上 増田さんは空気を読んで分かったふりをするなんてしない人だから、テレビ的じゃない会話の面白さがありますよね。

—— 閲覧数やコメントは気になりますか?

池上 そりゃあ気になりますよ。YouTubeはある種の双方向というか、コメントを見ることで、「こんなふうに思うんだ」と即座に分かる。いろんな発見があって楽しいです。

増田 私は、最初はコメントを一切見なかったんです。それに左右されるのが嫌でしたから。

池上 ネガティブな反応もありますからね。

—— 炎上もありましたね。

池上 テレビ番組で米中関係について解説した際の私のコメントに対して、トランプ支持者がバッド評価で『YouTube学園』を攻撃したんです。放っておけばそのうち収まるという意見も出ましたが、正義感の塊の増田さんは断固戦うべきだと。私もそりゃあそうだねと。

増田 それぞれの意見があってもちろんいいのです。ただ、別の媒体であるYouTube上の関係のないテーマの番組に、憂さ晴らしみたいな攻撃をしてくる卑怯なやり方は許せないし、それを「よくあることだから」で済ませていると、その積み重ねがいろいろな社会の問題にもつながりかねない。だから、私たちがどう思っているかをYouTubeでお話ししました。

愛の不時着にはまり睡眠不足の日々も

—— 反響が大きかったテーマはなんですか?

増田 アルメニアとアゼルバイジャン紛争の回は、海外からのコメントが多くて驚きました。

池上 エルサレムを取り上げた回は約45分もあるのに、最後まで見てくれる人が多かった。

増田 一番反響があったのは、「愛の不時着から見る北朝鮮シリーズ」ですね。編集会議のときにスタッフに勧められて、ドラマの冒頭を見たら、リ中隊長がうっかり地雷を踏むシーンで池上さんが……。

池上 「あれは中国製の軽い地雷だからだよ。雨が降るとプカプカ浮かんで思わぬ場所に移動する。だから優秀なリ中隊長も気づかなかったんだ」などと、いろいろ説明したい気持ちがむらむらと湧いてきて。

増田 恋愛の話でなくそこ? ですよね。

池上 見始めたらもう毎晩睡眠不足ですよ。締め切りがあるのに! みたいな。

増田 でも、次が見たい! になっていましたよね、2人とも。

—— YouTubeで情報を得るときに、気を付けたほうがいいことはありますか?

池上 きちんとした根拠のある情報かは意識してほしい。

増田 他人への批判を感じたら、見ないほうがいいのかなと思います。匿名なんだから何を言ってもいいだろうという、負のエネルギーがたまっているところに加わらないほうがいい。

—— 『YouTube学園』を続ける上で、大事にしていることは。

池上 閲覧数をすぐに増やす方法はあるかもしれないけれど、自分たちが何を伝えたくてYouTubeを始めたのか、という根本は守り続けたい。

増田 動画はずっと残っていくものなので、いつ見ても一定のレベルのものを出していきたいです。