計画通りにいかなくて当然、6割達成なら万々歳
── 旅で心がけておいたほうがいいことはありますか?
池上 最初の挨拶は現地の言葉で言えるといいですね。ドイツに行けばグーテンターク、アラブ圏に行けばアッサラームアライクムと。あと、街角で『地球の××』など日本のガイドブックを広げないこと。海外の悪い連中に、私は金持ちの日本人よって教えるようなものなので。
増田 私は外出前に現地で買った地図を見て、大通りの何本目を左とかポイントをおおよそ頭に入れて外出します。ヨーロッパの街は、中心に教会があるとか、番地が通りの左は奇数で右が偶数とか共通点を覚えておくと、土地勘がつかみやすいですよ。あと、カフェに入ったときに必ずお手洗いを済ませます。
池上 海外に行くとどこでもそうですが、物事が時間通りには進まない。
増田 計画したことの6割できたら万々歳。思い通りにいかなかったことを楽しむぐらいの気持ちでいたほうがいいですね。
池上 私はワシントンからニューヨークに鉄道で帰るときに、うとうとして車内放送に「あっ」と思って降りたら、ニューヨークじゃなくてニューアークだということがありました。ニューヨークは、駅名がペンシルベニアステーションなんだよね。でも後になると、トラブルもいい思い出になったりする。
増田 小さな感動体験もあちこちにありますよね。ヨーロッパのキリスト教圏に行くと、教会でコンサートをやっていたりします。ふっと入って献金するだけで音楽を楽しめる。いい文化だなと思いましたね。
池上 いいよねえ、行きたくなっちゃったなあ。
旅慣れた二人の思い出&アドバイス
【Q】定番の旅のお土産は?
【A】お金グッズ、歴史を感じるポストカード(池上)
金ぴかの1000ドル札はラスベガスのお土産。チャーチルの肖像など第2次世界大戦中のポスターを絵はがきにしたものは、イギリスの戦争博物館で購入。話のタネになって、かさばらないものが定番。

【A】民族衣装をオーダーで(増田)
ラマダンの時期にドバイで購入した伝統衣装アバヤは30分ほどで作ってもらえた。ベトナムではアオザイを作ったことも。イスラム教の数珠ミスバハなど現地の文化や風土を感じられるものを購入。

【Q】旅先の忘れられない味は?
【A】スウェーデンのカフェ列車の「パン」(増田)
スウェーデンのストックホルムで夏の間だけ走るカフェ列車。路面電車の1両がレトロなカフェ仕様で、野外博物館などがある湾の周りを1周する間、コーヒーやデニッシュが食べられる。「カフェ好き、パン好きにはたまりません」。

【A】テヘランで食べたラムチョップ(池上)
イランは、肉は羊料理が主流。なかでも「テヘランにあるラムチョップ専門店で食べたラムチョップが絶品でした」。イランではにんにく入りヨーグルトも経験。

【Q】忘れられない風景は?
【A】ボスポラス海峡にかかる夕日(池上)

【A】キプロスのアフロディーテの海(増田)

【Q】街歩きに欠かせないのは?
【A】現地の言葉で書かれた地図
通りの名前や駅名表示は現地の言葉で書かれているので、日本語で書かれた地図を見るよりも、現地の地図が便利。

【Q】ホテル選びの鉄則は?
【A】安全性。ホテル代は節約しません(増田)
【A】広いバスタブ、部屋の照明が明るいこと(池上)
構成/安原ゆかり(日経BP総研) 取材・文/中城邦子 写真/窪徳健作(池上さん、増田さん)