池上さんや増田さんでも失敗はある?

増田 一生懸命取材をして、ラジオでレポートする際に、社名を間違えたこと。相手の方から「活動を紹介してもらえただけでありがたいですよ」と言っていただき、いっそう申し訳なかった。

池上 社会部の記者だったときに、文化勲章を受章された方の取材に行けと突然言われて。当時はインターネットもありませんから、功績もよく知らないまま伺って、ありきたりな質問しかできない。そのうち「こいつは分かっていないな」と相手が感じていることが気配で分かるわけです。それは今もトラウマになっていて、インタビューの際にはできる限りその人のことを調べ、他の記事では出ていない話をどう引き出そうかと考えるようになりました。

—— 失敗してしまった日の過ごし方はありますか?

増田 私はとことん落ち込むほうで、仕事で落ち込んだことは仕事で返さないと解消できないタイプでした。最近は「これで仕事がなくなっても明日があるさ」と開き直れるようになりましたね。一度仕事を全部辞めていた時期があるので、今の立ち位置に居続けるためにどうしようとは考えなくなりました。

池上 くよくよ考えても落ち込むだけですからね。私はとにかく寝る。寝るのは健康の秘訣でもあるんです。NHK時代、社会部の先輩に「どこでも、いつでも、誰とでも寝られるようにしろ」と言われて。誰とでもというのは、災害現場などで誰とでも一緒に雑魚寝ができるという意味ですよ。だから電車でもタクシーでもすぐに寝られる。

増田 確かに。地方の講演会などの仕事で池上さんとご一緒すると、ちょっと時間があるとすぐに寝息が聞こえてきます。

【ルール】仕事で失敗した日の気分転換
仕事の失敗は仕事で返したいタイプ。(増田さん)
むしろ、とことん落ち込んで仕事で解消しようと考えるタイプ。あえて気分転換を挙げるなら、料理。何も考えずに没頭できるところがいい。

寝るのが一番。小説を読んで現実から逃げる。(池上さん)
くよくよしても、さらに落ち込んでろくなことはないので、現実から逃げる。寝るのが一番だが、仕事と全く関係ない警察小説などを読むことも。