今の世界を理解するために知っておきたいキーワードを、池上彰さんと増田ユリヤさんが独自の視点で深掘り。今回のテーマは「女性政治家」です。
※今回の記事は、2021年9月22日時点でまとめた内容です。

国会議員の女性比率の低さ、とても先進国のものとは思えない!

「諸外国では地方議会は夜に開催されています」(池上彰さん)「普通に仕事しながら政治家として活動できますよね」(増田ユリヤさん)
「諸外国では地方議会は夜に開催されています」(池上彰さん)「普通に仕事しながら政治家として活動できますよね」(増田ユリヤさん)
この差は縮まる? 現状と課題は?
日本の女性国会議員比率は9.9%*、フィンランドの女性国会議員比率は46%*
右は2020年菅政権発足時の閣僚メンバー、左は2019年サンナ・マリン政権発足時の閣僚メンバー。(写真/アフロ)*出典:2020年IPU・列国議会同盟

編集部(以下、──) 11月には衆議院議員選挙がありますが(※編集部注:10月31日に決定)、日本の国会議員(衆議院)の女性比率は9.9%、190カ国中166位です。

池上彰さん(以下、池上) 驚くべき低さですよね。とても先進国とは思えない。

女性国会議員の比率
女性国会議員の比率
世界平均25.6%。これに対して、日本は9.9%で190カ国中166位。OECD諸国で最下位(※各国の下院または一院制議会の女性比率の順位) 出典:2020年IPU・列国議会同盟

── 1位はルワンダで61.3%です。

池上 ルワンダは1990年代に激しい内戦で男性が激減したという背景も一因ですが、憲法で、「国の指導的機関の地位のうち少なくとも30%を女性が占める」ように定められていることが大きい。性別によるクオータ制(組織の一定比率を女性に振り分けること)を国政レベルで導入している国と地域は、世界で約120に上ります。

日本はクオータ制が未導入
国政レベルでの政治分野で性別によるクオータ制を導入しているのは世界196の国と地域のうち118の国と地域で、全体の約60%にのぼる。日本は、2021年6月に成立した「改正候補者男女均等法」で男女の候補者ができる限り均等になることを目指すとするにとどまり、クオータ制は導入されていない。

【クオータ制】
性別等を基準に一定の比率を割り当てる制度。男女間格差を是正するための方策。

クオータ制を導入している国と地域の数
世界全体で196カ国中118の国と地域がクオータ制を導入
出典:内閣府「諸外国における政治分野の男女共同参画のための取組」(2020年3月作成)

増田ユリヤさん(以下、増田) ニュージーランド、デンマーク、フィンランドなど、女性が首相の国も増えています。

池上 比較的小さな国が多いですね。人口が少ないから、男女関係なく活躍する必要がある。

増田 その結果、議員を含めてさまざまな職場で産休や育休、保育園など、女性が働きやすい社会環境も整えられる。池上さんが注目する女性政治家は?

池上 ニュージーランドのアーダーン首相かな。

増田 先進国で初めて産休を取得した首相として注目を集めましたね。現在2期目です。

池上 2020年にコロナ禍で同国が非常事態宣言下となったとき、普段着姿で自宅からネット中継で国民の質問に答える姿が好印象でした。子どもたちに「イースターバーニー(復活祭に卵を運んできてくれるうさぎ)はロックダウンの対象外だから安心してね」と言っていた。

増田 私はカマラ・ハリス米副大統領が来年の中間選挙や将来の大統領選に向かうのかを注目しています。そして、やはりフィンランドのサンナ・マリン首相。フィンランドは、連立政権を組むすべての党のリーダーが女性という国ですから。

政治分野での男女格差は156カ国中147位
世界経済フォーラムが公表した「ジェンダーギャップ指数2021」。日本は156カ国中120位で、「政治」(156カ国中147位)、「経済」(156カ国中117位)が特に低い。
ジェンダーギャップ指数2021ランキング
1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェー、4位ニュージーランド、5位スウェーデン、30位米国、102位韓国、107位中国、120位日本
出典:男女共同参画局、世界経済フォーラム