なぜ王様がいる国といない国があるの? 他の国の君主は国民にとってどんな存在? 素朴な疑問を池上彰さんと増田ユリヤさんの2人に解説してもらいます。
PR動画にも出演し名演技を見せた女王
編集部(以下、——) 2022年の出来事と言えば、エリザベス女王のご逝去が印象深いです。
増田ユリヤさん(以下、増田) 本当に国民に愛された女王でしたよね。
池上彰さん(以下、池上) 一般弔問の列は数キロメートルにもなり、24時間近く並んだ人もいたそうですよ。
——愛された理由は?
増田 まず70年という在位期間の長さ。第2次世界大戦が終わって間もない1952年に25歳という若さで即位されて以来、伝統を大事にしながら新しい王室像をつくっていかれた。
池上 ユーモアがあって、お茶目な面もありましたしね。
増田 在位70周年の祝賀コンサートのPR動画では、くまのパディントンと共演して、愛用の黒いバッグの中からマーマレードサンドイッチを取り出してみせたり。
池上 2012年のロンドンオリンピックの開会式ではジェームズ・ボンドと共演した映像で沸かせたりね。
増田 そういう演出を許してしまうのがすごいですよね。エリザベス女王の高祖母にあたるヴィクトリア女王も、大英帝国の黄金期を築いたと言われ、在位63年(1837〜1901年)と長い治世でした。
Q:なぜエリザベス2世はあんなに愛された?
70年に渡る在位。お茶目な一面も。

恒例となったクリスマスメッセージのテレビ放送をはじめ国民と積極的に交流し、開かれた王室への改革も断行。プライベートではコーギー犬を愛し、愛用の黒のバッグにはいつもチョコが入っていたそう