1. TOP
  2. どう向き合う?「大黒柱バイアス」
  3. 少子化進める恐れも 「大黒柱バイアス」に潜むリスク
どう向き合う?「大黒柱バイアス」

少子化進める恐れも 「大黒柱バイアス」に潜むリスク

働く男性179人調査【1】「男性は働き続けて一家を養うべき」という固定観念、「感じたことがある」が4割超え

Terraceで話題!

「家事育児は女性の仕事」という性別役割分業意識が女性を苦しめる一方で、男性には「一家の大黒柱として家族を養うべき」という固定観念、いわゆる「大黒柱バイアス」がつきまといます。日経xwomanが行ったアンケート結果を基に、大黒柱バイアスに潜む問題点、男性のつらさや日本社会の課題、さらに女性側が気を付けるべき点などについて、京都大学大学院 人間・環境学研究科 准教授の柴田悠さんに話を聞きました。

※記事中の図版はすべて日経xwoman「男性の働き方に関するアンケート」出典。四捨五入の都合上、グラフの合計が100%になっていない場合があります。
※調査概要は本記事4ページ目をご参照ください。

「大黒柱バイアス」、感じたことがある男性は44%

 「男性は一家の大黒柱として家族を養うべき」という固定観念は「大黒柱バイアス」と呼ばれます。実際にどのくらいの男性たちが、この「大黒柱バイアス」を感じているのでしょうか。日経xwomanは2022年10~11月に、主に30~60代の働く男性を対象にアンケート調査を実施、179人から有効回答を得ました。「職場や家庭、友人関係の中で、『男性は働き続けて一家を養うべき』という固定観念、いわゆる『大黒柱バイアス』を感じたことがあるか」と聞いたところ、「感じたことがある」と答えた人が最も多く、44.1%(79人)でした

 本来、家族を養う役割に性別は関係なく、「大黒柱バイアス」は、代表的なアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の1つです。「夫は正社員・妻は専業主婦」という性別役割分業を選ぶケースだけでなく、共働きでも夫と家事育児を分担できず妻がメインで家事育児を担うケース、あるいは夫婦ともに働いて家事育児も担っているのに男性だけに「大黒柱であれ」というプレッシャーがかかるケースなど、さまざまなパターンが存在します。

 京都大学大学院准教授の柴田悠さんは、「夫婦間で性別役割分業についての合意形成ができており、進んでそれを選んでいるのなら、それは個人の自由であり問題ない。ただし、性別役割分業は男女双方において、さらには社会全体においてさまざまなリスクを高めることも知っておいてほしい」と指摘します。その1つには「少子化」に関する内容も。一体どういうことでしょうか。

関連雑誌・書籍

会員登録でクリップやタグの
フォローが可能になります
フォローしているキーワード/タグ
キャンセル