「男性は一家の大黒柱として家族を養うべき」という固定観念は「大黒柱バイアス」と呼ばれ、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の1つです。日経xwomanが働く男性を対象に行った調査では、職場や家庭、友人関係の中で大黒柱バイアスを「感じたことがある」と答えた人は回答者の44.1%に上りました。回答した男性たちは、なぜ、どのようなときに大黒柱バイアスを感じているのでしょうか。自由回答の内容を分析すると、いくつかの原因が見えてきました。
※記事中の図版はすべて日経xwoman「男性の働き方に関するアンケート」出典。四捨五入の都合上、グラフの合計が100%になっていない場合があります。
※調査概要は記事1本目「少子化進める恐れも 『大黒柱バイアス』に潜むリスク」4ページ目をご参照ください。
「社会の空気感」や「両親の影響」
日経xwomanが2022年10~11月に働く男性を対象に行った調査では、職場や家庭、友人関係の中で大黒柱バイアスを「感じたことがある」と答えた人は回答者の44.1%(179人中79人)。年代別に見ると、年代が上がるほど、「感じたことがある」と答えた人が多い傾向がありました。

では、どんなときに大黒柱バイアスを感じるのでしょうか。大黒柱バイアスを「感じたことがある」と答えた人全員に尋ねたところ(自由記述形式)、目立ったのは「社会の空気感」や「両親の影響」といった趣旨の回答でした。
●両親の姿を見て、それが当たり前のことと考えていた。(62歳/商社/営業・販売)
●親の教育や友人との会話の中でそう感じた。(58歳/鉄鋼・非鉄金属/営業・販売)
大黒柱バイアスは長年社会に根付いてきた固定観念であり、年齢が上の人ほどその影響を強く受けていることが考えられます。なかには大黒柱バイアスを自発的に、肯定的に受け止めているとみられる人もいました。
●自分も妻も会社も、私が大黒柱ではなくなることを想像も希望もしていない。(53歳/自動車/事務)
大黒柱バイアスを肯定する心理の背景には何があるのでしょうか。記事の後半では、大黒柱バイアスを助長してしまう「女性側の原因」についても分析していきます。