子育てをすると、まるで罰を与えられているかのように厳しい状況に立たされる――。子育て中の人に対して厳しい視線が注がれ、キャリアや金銭面、精神面で負担が生じる状況は、「子育て罰」などと呼ばれます。また家事育児においては、「夫は仕事、妻は家」という伝統的な性別役割分業に縛られ、キャリアとのはざまで悩む女性も少なくありません。3月4日に開催した「#ジェンダーの壁を乗り越えろ! 日経xwoman×読者の編集会議」では、参加者が分科会形式に分かれ、「性別役割分業・ワンオペ」「子育てとジェンダーのモヤモヤ」、主にキャリアにおける「子育て罰」の各テーマについて、課題と解決策を話し合いました。
「なぜ家に入らないのか」と義父母に言われ…
「性別役割分業・ワンオペ」の分科会に参加した1人は、子どもが1歳になったのを機に仕事を再開したが、夫の両親からは「なぜ働くのか」「子育てに集中してほしい」といったプレッシャーを受けてきたという。
「出産直後に夫が転勤。私も仕事でよいポジションを任されたところでしたが、退職して夫についていきました。医療系専門職なので転勤先でも仕事は見つかりますが、これまでのキャリアを評価してもらえるところは少なく、パートなどで自分の希望とは少し異なる働き方をしてきました。
夫の帰宅は深夜0時。『忙しいから家のことはできない』と、家事育児は私が担っています。夫の両親(70代)からは『なぜ母親なのに家に入らないのか』『子どもは2人産むべきだ』と言われます。自分自身は『女性も仕事をしっかりと』という家庭環境で育ってきたのに、壁を感じます」。性別役割分業は性別間だけでなく世代間の問題もはらむという意識が共有された。
ワンオペだけど「夫に感謝しています」
他の参加者からは、「活躍している女性から『ワンオペだけれど、夫は私が好きな仕事をすることを許してくれるので、いいんです。むしろ夫に感謝しています』という言葉を聞くことがある」という発言があった。
「女性は家事育児をすべきだという思いが、女性にもあるのではないか。ワンオペに不満を感じていても、どこかでそれを『よいこと』と思い、逆にワンオペをしていない女性は罪悪感を覚えている可能性も」「改善していくためには女性たち自身に、外部に協力を求めることを恥ずかしがらない意識も必要ではないか」の声もあった。
