「サザエさん問題」に共感の声
人材採用においては、男性の働きやすさもキーワードになる。男性が家事育児と両立しやすい職場は、女性にとっても働きやすい環境といえるからだ。「男性育休」について話したグループでは、男性育休取得率が13.97%(厚生労働省「雇用均等基本調査」21年度)と低迷していることについて課題を整理。以下の6つがあると分析した。
男性育休取得率が上がらない原因
1.トップの発信不足
2.男性で育休を取得したロールモデルが少ない
3.給与面での不安
4.チームに迷惑をかけないかと、当事者の男性自身が遠慮してしまう
5.女性に比べて育休取得までの流れが周知されておらず、取得を言い出しづらい
6.育児は女性がやるもの、というアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)が職場にある
2.男性で育休を取得したロールモデルが少ない
3.給与面での不安
4.チームに迷惑をかけないかと、当事者の男性自身が遠慮してしまう
5.女性に比べて育休取得までの流れが周知されておらず、取得を言い出しづらい
6.育児は女性がやるもの、というアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)が職場にある
課題の1~3に対しては、先進的な企業の取り組みを発信して全体の意識を変え、トップが腹落ちすることがまず大事と提言。その上で、トップの明言、取得した男性の事例を社内座談会や社内報などで「見える化」すること、育休期間中の一部を有給化することなどを提案した。4、5については、上司からの積極的な働きかけが求められると指摘。参加者の1人が勤める企業では、上司からの積極的な働きかけによって、男性育休取得率が約90%に、平均取得日数も20日以上になったという。
とはいえ、上司からの働きかけを阻む原因の一つともなるのが、職場のアンコンシャス・バイアス。その背景に、男性は仕事、妻は家事という「サザエさん」のような家庭像に縛られる「サザエさん問題」があると指摘。ほかのグループの参加者からも「サザエさん問題、まさに!」などと、共感の声が多数寄せられた。

分科会では、男性育休取得率が上がらない背景に「男性は仕事、妻は家事」の家族像に縛られている実態があると指摘。画像はイメージ
「男性育休」、解決への【提言】
■先進的な企業の取り組みを発信する
■トップが腹落ちした上で、男性育休取得の大切さを明言する
■社内の座談会や社内報を利用して、取得した男性の例を「見える化」する
■育休期間中の一部を有休化する
■上司からの積極的な働きかけを促進する
■「男性は仕事、女性は家事」というアンコンシャス・バイアスから脱却するため、社会全体の意識を変えていく
■先進的な企業の取り組みを発信する
■トップが腹落ちした上で、男性育休取得の大切さを明言する
■社内の座談会や社内報を利用して、取得した男性の例を「見える化」する
■育休期間中の一部を有休化する
■上司からの積極的な働きかけを促進する
■「男性は仕事、女性は家事」というアンコンシャス・バイアスから脱却するため、社会全体の意識を変えていく
構成/久保田智美(日経xwoman編集部)