従来の人間関係や環境を越え、普段の職場とは違う場所で新しい経験を積むことで成長し、イノベーション創出に寄与する――。この特集では、職場における、こうしたさまざまな「越境」に注目し、新しい体験から得た知見を仕事に生かす事例を取り上げます。1本目は部署を横断したネットワークを紹介します。「越境」した活動を全社の活性化につなげる工夫に迫ります。
どうやって、社内の活性化につなげているのか
未来予測が難しい「VUCA時代(*)」が到来し、会社が新たな可能性を探るために、社内やグループ内を横断したチームをつくり、内部の活性化につなげようとする事例が増えています。では、活動を効果的に行えているチームは、どのような工夫をしているのでしょうか。今回は、医療機器メーカー大手の日本メドトロニックの「メドトロニック・ウィメンズ・ネットワーク(MWN)」という社員グループのケースを紹介します。
冒頭の写真は、3月3日「MWN アニュアルサミット」という同社の社内イベント。東京都内にある本社会場に、リアル参加者30人とオンライン参加者140人が集い、女性活躍をテーマに外部講師の話を聞き、活発な意見を交わしました。これはMWNが実施したイベントの一例です。
新型コロナウイルス禍以降、働き方をテレワーク中心に切り替えたのと同時に、MWNのイベントもオンラインやハイブリッドで開催するようになっています。グループ全体で従業員は約2500人。MWNが開催するイベントへの参加者は年間で延べ3000人に増えています。参加者には北は北海道、南は熊本と遠く離れている支店や営業所の社員もいます。
メンバーやイベント参加者が社内にネットワークを構築し、社内の活性化につなげるために、MWNはどんな工夫を実践しているのでしょうか。社内の「心理的安全性」醸成につなげる工夫や各自のリーダーシップを伸ばす工夫、メンバー同士が人脈を広げる工夫など、詳しく紹介していきます。