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越境が扉を開く

異業種交流会で築いた社外ネットワークは仕事に生きる

【2】地元企業の女性リーダー育成を手掛ける第一生命保険沼津支社/幹部候補生に「生々しい学びの場」を提供する東レ経営研究所 2つの事例を紹介

Terraceで話題!

社外で得た多様な知見や経験を社業に生かす――。異業種交流研修では、異なる業種の企業の社員が集まり、さまざまなテーマで議論を深めながら視野の拡大やスキルアップを目指します。そうした活動に積極的に取り組む企業はどのような工夫をしているのでしょうか。トップが異業種交流研修を推進し、定期開催している第一生命保険沼津支社と東レ経営研究所を取材しました。他社も取り入れられるノウハウを紹介します。

トップの危機感から始まった異業種交流会

 近年、越境学習という観点からもニーズが高まっているのは、多様な業界で働く人が集い、特定のテーマについて議論して学び合ったり、人脈や視野を広げたりする異業種交流研修です。企業が研修を実施するきっかけはさまざまですが、中には、トップが定期開催型の異業種交流研修を積極的に推進したケースもあります。

 第一生命保険沼津支社では、2022年3月に初の異業種交流会を開催。20年度に支社長に就任した横溝有美子さんの危機意識がきっかけでした。

 支社長に着任する前は、東京本社の法人部に所属する傍ら、ダイバーシティ(多様性)推進の取り組みを行っていたこともあり、女性異業種交流会を主催したり、社外交流会や勉強会に参加したりする機会が多かったという横溝さん。自分にとっての学びが常に存在することが当たり前の環境にあったため、支社に赴任してきた時は他社で働く人との交流の場がゼロに等しかったことに驚いたと話します。

 「地方都市では東京に比べてダイバーシティ推進の取り組みが遅れている印象があります。沼津市はコミュニティのサイズがコンパクトで、ネットワークをつくりやすい環境があるのにもったいないな、と。私自身の経験からも、イベントで築いた社外ネットワークがその後に生きていると強く実感しており、沼津市で社外交流の場をつくることで地域の発展に貢献したいと考えました。地元の企業にヒアリングをしてみたところ、私が思っていた以上に女性管理職の少なさなどに課題を感じる声や賛同の声が上がったので、新型コロナウイルス禍も落ち着き始めた22年に、静岡県東部の企業に声かけし、女性リーダー育成に向けた女性異業種交流会を開催しました」

 現在、手探りではあるものの、多様性推進に取り組み始めてからまだ日が浅い組織にとっても身近なテーマを選ぶなど、足元から地道に交流会の構成を考えていると言います。同支社が「異業種交流」の効果を高めるために意識しているという3つの工夫について聞きました。

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