働き方の多様化が進む中、リーダーには、進捗管理や部下のやる気の引き出し方で従来とは違った工夫が求められています。日本睡眠学会専門医の中村真樹さんは「睡眠不足が仕事のパフォーマンス低下につながっていることを、ビジネスパーソンはもっと認識したほうがいいのでは」と話します。連載3回目ではこれまで蓄積した「睡眠負債」をどう解消すればいいかを聞きました。
週末や休日は睡眠負債を解消するチャンス
「寝ても寝ても疲れが取れない」「どうにも頭が働かない」──そんなときは「睡眠負債」を抱えた状態で、体が悲鳴を上げているのかもしれません。
睡眠負債とは、睡眠不足が蓄積することで、心身の不調を来してしまっている状態のことを指します。
「寝だめしてリカバリーしよう」と思う人もいるかもしれませんが、「実は一度にたくさん眠る、いわゆる寝だめをしても、十分に睡眠負債を解消することはできません」と日本睡眠学会専門医の中村真樹さんは言います。
では、どうやって睡眠負債を解消すればいいのでしょうか。鍵となるのが、「朝の起床時間」だと中村さんは言います。まずはついゆっくり遅くまで寝てしまいがちなオフの日に意識することは何でしょうか。
「仕事が休みになる週末や休日は、平日の睡眠負債を解消するチャンスです。連載2回目『寝不足リーダーが、チーム力を下げてしまう理由とは』でも触れていますが、体内時計がずれないように、夜更かしせず、いつもの睡眠時間よりも1~2時間程度、長く眠るといいでしょう。休みになると、ついあれもこれもと予定を入れたくなるかもしれませんが、『今度の休みは睡眠負債を解消するんだ』と眠活を意識することで、翌週の仕事の質やパフォーマンスを上げることができますよ」
それでは意識して眠活に取り組んだとして、どのぐらいの期間で睡眠負債を解消できるのでしょうか。
