日本社会で「女性活躍」の重要性が注目されるようになった今なお、男性中心の組織や考え方は根深く残っています。現状、私たちはどこまで歩みを進められ、どのあたりでどのような壁にぶつかっているのでしょうか。そのリアルに光を当てるとともに、なかなかハラオチしてくれない相手に、どう話せば新しい方向に事を動かしていけそうか、専門家の助言を基に具体的な伝え方を紹介する特集です。第1回の記事では、日経xwomanが実施した2つの調査から見えてきた実態をリポートします。
6割以上が「ダイバーシティがまだうまく推進されていない」と回答
女性活躍推進法が施行されて早や6年が経過しました。ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の施策が進む企業が増える一方で、「うちは全然変わっていない」という職場が依然として残っているのが現状です。今回、日経xwoman編集部が実施した2つのアンケート調査でもそれが浮き彫りになりました。
2022年10月5日~11月13日に実施した「女性のキャリア(働き方)に関するアンケート」で、「あなたが現在働いている組織は、ダイバーシティの推進に関してどのような状態だと思うか」と尋ねたところ、一番多かった回答こそ「トップ、管理職、従業員など組織全体で理解をし、実行している」(29.2%)だったものの、2番目の「人事部やダイバーシティ推進室は努力しているが、実績が伴わない」(24.8%)など、組織内でダイバーシティがまだうまく推進されていないという趣旨の選択肢を選んだ人の割合の合計は61.9%でした(この質問への回答者数は3791人)。
また、「勤務先の女性活躍、実際のところ、進んでいますか?」と職場の実態に関するエピソードを聞いたアンケート(10月19日~11月21日実施)には、約100件のエピソードが寄せられました。次ページからはアンケートで集まってきた「女性活躍推進に関して職場で『悔しい・悲しい』と思ったり、絶望したり、『いつか見返してやる』と奮起したりした」具体的な声を紹介します。