女性活躍推進法が施行されて早や6年が経過しました。第一線で女性活躍を進める先進企業の事例もある一方、「実はうちの職場は何も変わっていない」という職場は多く存在しています。そんな職場に根深く残る「いまさら」な発言に対し、冷静かつ論理的に、改革の大切さや必要性を説明するときに使える台本(スクリプト)を用意する特集です。ぜひ目を通し、ここぞ、というときに使ってください。今回は「女性優遇って、逆差別では?」という発言にどう対応すればよいか、ワークシフト研究所所長で静岡県立大学経営情報学部准教授の国保祥子さんに聞きます。
「女性社員限定の研修って、必要?」
女性社員限定の研修やプロジェクトなど、女性を優遇するさまざまな試みに対し、「それは逆差別だ」と言われたことはありませんか? そんなときはどう返答するのがよいのでしょうか。国保祥子さんに尋ねたところ、「相手との関係性によってカスタマイズは必要です」と前置きしたうえで、具体的な伝え方を教えてくれました。
「根本にある考え方として『女性のため』『私のため』ではなく、『会社のため』という、会社にとっての合理性に基づいた女性を優遇すべき理由をはっきり伝えることが大事です」
意見が自分と大きく食い違う相手に意見を伝えるときのポイントは、「相手を頭ごなしに否定しないこと」。特に相手が社長や役員、上司という場合、自分が会社員である以上、相手に認めてもらえなければ意見は通りません。「感情的にならず冷静に、論理的に話すようにしましょう」
「この場合の台本を次ページに紹介しますので、ぜひご活用ください」
【2】「営業職と育児の両立が大変なら、サポート業務に移ってもらってもいいからね」という上司に
【3】 昇進会議で、アファーマティブアクションに理解を示さない出席者に
【4】「女性の育成に重点を置いていたら、男性社員が元気なくなってきちゃったんだよね」という上司に
【5】「女性社員限定の管理職候補者セミナーへの出席依頼」を断る女性部下に
⇒⇒⇒ 何を、どう伝える? 次ページから解説します。