高たんぱくで低糖質、女性にうれしい栄養がつまった高野豆腐。製造過程で増える特有のたんぱく質には脂肪吸収を抑える効果も。新感覚でヘルシーなレシピもご紹介します。
凍らせた豆腐を、乾燥させる伝統食・高野豆腐。その魅力は何といってもその半分を占める植物性たんぱく質。ほかにも女性の美と健康に欠かせない大豆イソフラボン、カルシウムや鉄分といったミネラルも含む。
使い方によっては糖質オフに役立ち、1日1枚食べて悪玉コレステロールを減らす効果がヒト試験で確認されている。
注目すべきは、製造過程でたんぱく質の一部が変化してできる「レジスタントプロテイン」という成分だ。
「胃や小腸で消化されにくく、食物繊維のように脂肪を吸着して排出する働きがある」と旭松食品の石黒貴寛さんは説明する。中性脂肪値の上昇を抑制する作用が動物試験でわかっている(下グラフ)。
【高野豆腐のメリット1】腸で脂肪吸収を抑える

ラットに通常の食事と、高野豆腐のたんぱく質を加えた食事をそれぞれ3週間ずつ摂取させたところ、高野豆腐たんぱく質群では血中中性脂肪値が低くなっていた。「腸で脂肪吸収を抑えるほか、肝臓などで脂質合成系を抑えるためと考えられる」(石黒さん)。
【高野豆腐のメリット2】レジスタントプロテインが含まれる

「豆腐の凝固・圧縮、凍結、乾燥のプロセスでたんぱく質同士の結合が強くなり、レジスタントプロテインが増える」(石黒さん)。グラフは高野豆腐の各製造過程におけるたんぱく質100g中のレジスタントプロテインの量。
「レジスタントプロテインには腸を刺激し便通を改善する効果や、肥満抑制も期待できる。最終的には代謝され、体内に吸収されてきちんと使われる」と広島大学大学院の加藤範久教授。
【高野豆腐のメリット3】糖質オフに役立つ
パンやイモの代わりに使えば糖質オフに。
【高野豆腐のメリット4】大豆イソフラボンが含まれる
豆腐に比べて含有量は少ないが、イソフラボン補給になる。
【高野豆腐のメリット5】うまみが染み込みやすい
高野豆腐の製造過程で、凍結により豆腐内部に氷結晶ができ、氷以外の部分に成分が凝縮。乾燥させると穴が開いてスポンジ状になり、だしを吸収しやすくなる。