共働き世帯が子育てと仕事を両立するには、男性の行動改革が欠かせません。育児・介護休業法の改正により、2022年10月から「産後パパ育休」が施行されるなど男性の育児休業取得の機運が高まっていますが、自治体における働き方改革は現在どれくらい進んでいるのでしょうか。今回は、「自治体の子育て支援制度に関する調査」の結果から職員の男性育休取得率が高い自治体の取り組みを紹介。記事の後半では、自治体が行っている女性活躍推進の状況についても紹介します。
今回、日経xwomanと日本経済新聞が共同で行った調査では、各自治体に市区役所の男性職員の育休取得率(21年度)について質問。取得率が高い自治体の中から、男性育休を取りやすい環境づくりの工夫で成果を上げている好事例を紹介します。なお、取得率は「21年度中に育休取得が可能になった男性職員(取得対象者)」に対する、「21年度中に育休を取得した男性職員数(21年度以前に取得対象者となり、21年度中に新たに取得した職員が含まれる)」の割合で算出するため、数値が100%を超えることがあります。
制度の周知・理解深め男性育休取得率160%超に(東京都国分寺市)
国分寺市では17年に、正規職員に向けて「育児・介護・特別活動に関する休暇制度」をまとめた冊子を作成。年度内に2度イントラネットで告知をするなど休暇制度の周知に力を入れました。新入職員や新人管理職を対象に制度の理解を深める研修も行うことで、男女を問わず制度を利用しやすい環境づくりを進め、16年度7%だった男性育休取得率は21年度166.7%(取得対象者6人、取得者数10人)を達成。男性育休の平均取得期間も31.3日と以前より増えています。
「国分寺市では男性職員の育休取得率が7%と低い水準にあったことから、取得率向上の取り組みとして『まずは短期間から取得してみよう』と対象となる職員に声掛けを行うことで徐々に取得率が向上し、昨年度ついに取得率100%を達成することができました。継続的な取り組みにより、『男性職員も育休を取得するもの』という職場の雰囲気が醸成され、係長職でも取得者が出てきています。引き続き育休を取得しやすい職場環境整備を進めていきます」(同市の担当者)