スマホの普及に伴い、手軽にインターネットを利用できるようになったことから、ネットを介して交友関係を築くことは身近になりつつあるようです。2022年にニフティが運営する子ども向けサイト「ニフティキッズ」が実施した調査によると、ネットを介した友達(ネッ友)がいる中学生は7割近くいるとのこと。誰とでもつながれるという便利さや手軽さがある一方で、「ネッ友トラブル」が相次いでいるのも事実。だんだん大人へと成長し、親の手から離れつつある中学生以上の子どもがいる家庭では、トラブルを未然に防ぐために親がどのように関わっていけばいいのでしょうか。
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ネットを介して交友関係を築くことが身近に
近年、低年齢化しているスマートフォン(スマホ)のデビュー時期。2022年3月に東京都都民安全推進本部が発表した「令和3年度家庭における青少年のスマートフォン等の利用等に関する調査」で、中学生になると、8割の人がスマホを持っていることが分かりました。スマホの普及に伴い、手軽にインターネット(ネット)を利用できるようになったことから、交友関係の築き方にも変化が見られます。
22年にニフティキッズが小中学生を中心に行った「『ネッ友』に関する調査レポート」(有効回答数1465人、うち中学生が542人)によると、ネット上だけで交流があり、現実世界では接点のない「ネッ友」がいると答えた中学生は7割近くいたことが分かりました。ゲームや、LINE、TwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通して知り合うとのこと。デジタルネーティブの子どもたちにとって、ネットを介して交友関係を築くことは身近になりつつあるようです。
一方で、便利さや手軽さ故にトラブルも多発しています。例えば、22年8月に福岡県で女子高校生とその母親がネットを通して知り合った少年に、位置情報共有アプリで家を特定されて刃物で刺されるという殺人未遂事件が起きました。子どもを育てる家庭にとっては人ごとではなく、誰にでも起こりうること。ですが、わが子には危険な目に遭わせたくないと心配しつつも、子どもが中学生以上になると、どのように関与すべきなのか分からないと悩んでいる人は少なくないかもしれません。

「スマホの正しい使い方というものが明確にあるわけではないからこそ難しい。一歩間違えると自分の人生を台無しにしてしまうほどの大きなリスクがある、ということを子ども自身に自覚させるのは親の役目でもあります」
そう話すのは、大手携帯電話会社の一次代理店として移動体通信機器を販売する兼松コミュニケーションズに勤める黒川智章さんです。本業の傍ら、総務省と文部科学省、情報通信分野等の企業・団体が協力し、子どもたちの安心・安全なインターネット利用の促進を目的として実施する啓発講座『e-ネットキャラバン』の講師も務めています。
また、サイバーセキュリティー企業のトレンドマイクロに勤め、小中学生に向けたネットに関する講座を実施する中村江里さんは「ネットの世界に入ると年齢に関係なく一人の大人として見られるので、『自分は子どもだから許してもらえるだろう』と考えずに、責任を持ってネットを利用することが大事です」と言います。
今後、スマホやSNSを使わせないという選択肢が現実的ではない中、いかにネットリテラシーを高めるかが重要になるといえます。では、親はどのように子どもが安心・安全にスマホを使うために関わっていけばいいのでしょうか。黒川さんと中村さんに聞きました。
・子どもにネットの危険性を認識させるためには「メラビアンの法則」の活用を
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