1990年代後半~2000年代前半に生まれた若者層は、マーケティング用語で「Z世代」と呼ばれ、キャリアにおいても上の世代とは大きく異なる価値観を持つといわれます。企業は、Z世代を含む20代の育成や人材定着をどのように進めればいいのでしょうか。日経xwomanでは、Z世代を含む20代女性のキャリア意識に関するアンケート調査を実施。その結果から、彼女たちの「意外な一面」が明らかになりました。若者のキャリア形成やジェンダーに詳しい大阪教育大学教授の安達智子さんの解説を交えて紹介します。
※Z世代の定義には諸説ありますが、本特集では、世代研究の調査リポートを発行しているデロイト トーマツグループの分析を基に、1995年1月~2003年12月に生まれた世代(23年1月時点で19~28歳)をZ世代と定義します。
※調査概要は本記事6ページ目をご参照ください。
※記事中の図版は四捨五入の都合上、グラフの合計が100%になっていない場合があります。
回答者の33%が「転職したい」
Z世代を含む20代は、子どもの頃から低成長の時代を過ごし、ITを使いこなすなどしてきたことで、上の世代とは大きく異なる価値観を持つといわれます。少子化が進む日本において企業の今後を担う貴重な人材ですが、育成方法について悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。なかでも、若手の離職率の高さや、人材定着に課題を抱える声が目立ちます。
実際に日経xwomanが20代女性正社員を対象に行ったアンケートからも、転職への意識の高さが見て取れます。回答者500人にどのような形でキャリアを継続したいか聞いたところ、「転職したい」と答えた人の割合が 33.0%と最も高くなりました。
上記の質問で「今いる組織の中でキャリアアップを目指したい」と答えた人はわずか14.6%。どうすれば20代の若手の帰属意識を高め、企業の成長に貢献してもらうことができるのでしょうか。