仕事、お金、暮らし、老後…ARIA世代が抱えるさまざまな悩み。親世代とは社会も暮らしも大きく変わっている今、もはやロールモデルは存在しません。これからどう未来を描けばいいのか。40代、50代の働く女性の悩みをARIAちゃんがお預かりして、経済評論家・勝間和代さんと一緒に考えていきます。今回は「賃貸か、持ち家か?」というテーマです。
賃貸生活を続けています。年を取ると家が借りにくくなると聞くので、マンションを購入すべきか迷っています。実際に分譲マンションを見学したところ、一部の物件を除いてコスパは悪いように思いました。持ち家になると固定資産税や管理費、修繕積立費などがかかって、賃貸よりお金がかかるのでは、と思う一方で、低金利だから住宅ローンを組むメリットがあるという意見も目にします。賃貸がいいのか買ったほうがいいのか、勝間さんの意見を教えてください。
「老後は家が借りられない」は昔の話
ARIAちゃん(以下、ARIA) 今月は、住宅に関する“永遠のテーマ”ともいえるお悩みです。単刀直入に伺います。賃貸と持ち家、どちらにすべきでしょうか?
勝間和代さん(以下、勝間) なぜか年寄りには家を貸してくれない、と思い込んでいる人が多いですが、都心でも地方でも年金さえもらっていれば貸してくれる物件はたくさんあると思います。介護サービスがついた高齢者専用の賃貸物件も増えています。日本は65歳以上が人口の29%(2022年9月現在)を超えた超高齢社会です。老後の住居問題は、もはや優先順位が低い課題なんです。
私も賃貸に住んでいます。20代のときにマンションを買ったことがありますが、子どもが3人に増えて手狭になったので30代に入ってすぐ売りました。以来、ずっと賃貸です。家族構成が変わったり、職業が変わったり、収入が変わったりしたとき、賃貸のほうが柔軟性が高いからです。
もし家を買うとしたら、即金で中古物件を買うこと以外は勧めません。新築は広告宣伝費や営業費などが値段に含まれていて割高ですし、立地がいい物件は昔から建っている中古のほうが多いからです。
忘れちゃいけないのは、住宅ローンは巨大な借金ということです。かつては、土地も家の値段も上がって不動産価値が上昇したので、ローンで買うメリットがありました。しかし、それは人口が増えていたときの話。今の日本は人口が減っています。人口が減っている国は土地も家も値段が上がらない、というのが経済の大原則です。人口が減って住む人も減れば、土地も家も余りますからね。すでに、地方ではめちゃくちゃ住宅が余っています。
ARIA コスト的には、賃貸と持ち家のどっちが得なんでしょうか? 相談者さんも判断に迷っていますが、家賃を払い続けるなら住宅ローンを組んで家を手に入れたほうがいい気もします。