転職成功者たちの「転職の流儀」を紹介する連載。今回登場するのは、16年間で7回の転職歴を持つmotoさんです。2007年に地方のホームセンターで社会人生活をスタートさせ、新卒年収240万円から32歳のときに年収1500万円に到達しました。下編では、motoさんが大失敗だったという転職エピソードや、会社選び、転職するタイミングのコツなどについて聞きました。その手があったか…という「転職技」が満載です!

(上)年収240万→32歳で1500万 motoの転職流儀
(下)転職7回motoが見極めるスキルアップ転職3ポイント ←今回はココ

moto
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1987年長野県生まれ。新卒で地方のホームセンターに入社後、マイナビやリクルート、スポットライト(現・楽天ペイメント)、ベンチャー企業など7社に転職。会社員をしながら「moto」というハンドルネームで活動し、転職メディアを運営する事業会社motoを副業で起業した。2021年4月に上場企業のログリーに売却し100%子会社に。現在はmoto、HIREDの2社を経営

3カ月で退職…失敗した2つの要因

編集部(以下、略) これまでを振り返って、失敗だったと思う転職はありますか?

motoさん(以下、moto) 4社目の転職が大失敗でした。3カ月で辞めているんですよ。

―― え! 試用期間中に退職したということですか?

moto そうなんです。人事職への憧れで転職してしまって(笑)。失敗の要因は2つ。1つは自分の向き不向きを見極められていなかったことだと思います。転職活動中は、当時働いていたリクルートでの仕事のように新卒採用に関して企業を支援する側ではなく、事業者側に身を置くほうが自分の価値が上がるのではないか、と思っていました。人事職を希望して転職活動し、オファー年収が高かったことはもちろん、優秀な従業員が多く、会社としても成長していて魅力的だったことが決め手となり4社目に転職しました。

 ところが、転職後、僕には人を採用することが向いていないと気づいたんです。人事の仕事は営業と似ている部分が多いのですが、ゴールは採用して活躍してもらうことです。会社のいいところや悪いところを伝えて、一緒に働くイメージを持ってもらうことが重要です。しかし、僕の場合、自律的にキャリアを考えてきたので、「本当にこの人にとってうちの会社がいいのかな」「その経歴だったらあの会社とかよさそう」という個人的な視点が強く入り、転職希望者と面接をしてもキャリア相談になってしまって成果を出せなかったんです。

 2つ目は、自分は何にモチベーションを感じるかを見極められていなかったこと。これまで売り上げに直結する仕事をしてきたので、人を採用してその人が活躍して売り上げが上がっていくといったように間接的に売り上げに貢献するような仕事にわくわくを感じられませんでした。

 この2点が失敗の要因だったのです。このまま働き続けても成果が出せないのは会社にとっても、自分にとってもよくないということで、3カ月で"破談"になり(笑)。ですが、それをマイナスには捉えていません。