転職成功者たちの「転職の流儀」を紹介する連載。今回登場するのは、3回の異業種・異職種転職歴を持つ小笠原芽さんです。2回目の転職で、異職種であるがゆえの壁に直面しますが、自身の信念を貫き、転職を成功に導いてきました。そんな小笠原さんの転職の流儀とは?

 現在、フリーランスと企業のマッチングを支援するプラットフォームサービスを運営するイーストフィールズで、顧客の成功体験の実現を支援するカスタマーサクセス職として働く小笠原芽さん(29)。小笠原さんは、2014年にデザイン系の専門学校を卒業後、デザイン会社に入社しましたが、テレビ業界への憧れを捨てきれず、知り合い経由で15年に、AD(アシスタントディレクター)として制作会社に転職。ところが、約2年半たった頃、今後もそこで働く姿を思い描けない、と自身のキャリアを見直します。キャリアコンサルタントを目指すことを決意し、営業職としてリクルートで3年半働いた後、21年に現職に就きました。デザイナー、AD、営業職、カスタマーサクセス職と3回の異業種・異職種への転職を経験した小笠原さんは、どのようにキャリアアップしてきたのでしょうか。

「今の会社にはキャリアコンサルタントとして内定をもらいましたが、入社前にカスタマーサクセスの新規部署の立ち上げについて聞いて。新規部署を立ち上げる経験はなかなかできないだろうと思い、自ら希望して挑戦することにしました。カスタマーサクセスが軌道に乗ったらキャリアコンサルタントに挑戦したいです」
「今の会社にはキャリアコンサルタントとして内定をもらいましたが、入社前にカスタマーサクセスの新規部署の立ち上げについて聞いて。新規部署を立ち上げる経験はなかなかできないだろうと思い、自ら希望して挑戦することにしました。カスタマーサクセスが軌道に乗ったらキャリアコンサルタントに挑戦したいです」

10年後も激務の中で同じように働く姿を思い描けなかった

編集部(以下、略) 憧れだったADを辞めて、転職しようと思った理由を教えてください。

小笠原芽さん(以下、小笠原) テレビ業界の裏側を見てがっかりしたなど、マイナスの感情は全くなく、むしろ面白さ、やりがいが100パーセントだったんです。ただ、仕事をする上でキャリアアップしたいと考えていたので、10年ほど上の先輩たちを見て思ったのは、「10年たってもADか……」ということでした。また、将来結婚して子どもが欲しいと考えると、10~20年後も激務の中で同じように働く姿を思い描けなかったんです。自分の人生について真剣に考えてみようと思い、転職活動に踏み出しました。とはいえ、その時点で明確だったのは、制作会社で長くは働けないということだけ。次はどんな仕事に就きたいのかも定まっておらず、実質初めての転職活動でもあったので、何から始めたらいいか分からないという状態でした。

―― どんなことから始めましたか?

小笠原 まずは、高校の友人など、周りにいる人に相談しましたね。「転職エージェントに相談してみたら?」というアドバイスが多かったので、ひとまず転職エージェントに登録してキャリアアドバイザーに話を聞きに行ってみることにしました。

―― 転職エージェントを上手に活用できる人ほど転職に成功しやすいとよく耳にします。小笠原さんは転職エージェントを2回目と3回目の転職活動で利用していますが、何か工夫をしましたか?