万葉集に関連する本を20冊購入

―― 『きらきらし』は、企画から約4カ月で、5つの短編を書き上げたとのこと。初めて1冊の本を執筆してみて、大変だったことや課題はありましたか。

宮田 万葉集の和歌をモチーフにした小説を書くという方向性が決まったら、すぐに万葉集に関連する書籍を20冊ほど購入しました。それらを読み込むのに、1カ月半ほど要しました。でも、その作業は全然苦ではなかったんですよね。

 家族には「もうこれ以上、本を増やさないで」と不満そうな顔をされましたが、仕事の資料だから、と大好きな万葉集に関する書籍をたくさん読めたので、素直にワクワクしました。

 それより大変だったのは、体調管理でした。夢中になると食事をするのも忘れて集中してしまうんです。だから朝から執筆した日は、何も食べないまま、気が付いたら夜になっていた、なんてことがしばしばありました。だから今、一番大切にしているのは、「体をいたわりながら文章を書くこと」です。

宮田愛萌
宮田愛萌
みやた・まなも/1998年4月28日生まれ、東京都生まれ。2017年、けやき坂46追加メンバー募集オーディションに合格し、けやき坂46の2期生としてデビュー。19年2月の日向坂46へのグループ改名後も精力的に活動を続ける。22年9月にグループからの卒業を発表し、23年1月末に卒業。2月28日、初小説集『きらきらし』(新潮社)を発売

 下編では、『きらきらし』に込めた思いや小説家としての目標について聞いていきます。



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日向坂46卒業の宮田愛萌 次の挑戦は長編小説の執筆

取材・文/橋本岬(日経xwoman doors) 写真/洞澤佐智子