「人生の新たな扉を開けた挑戦者たち」に迫る新連載が始まります。一歩を踏み出す不安とどう向き合い、葛藤をどう乗り越えたのでしょうか。第1回に登場するのは日向坂46を卒業後、初の短編小説集『きらきらし』(新潮社)を発売するなど、小説家としても活動する宮田愛萌さんです。彼女が、扉を開けたきっかけはーー。
(上)日向坂46卒業の宮田愛萌 万葉集好きアイドルが作家に ←今回はココ
(下)日向坂46卒業の宮田愛萌 次の挑戦は長編小説の執筆
得意科目は国語 日本文化が好きだった
編集部(以下、略) 日向坂46在籍中から読書家として有名な宮田さんですが、本を好きになったのはいつごろですか。
宮田愛萌さん(以下、宮田) 小学生のときから気づいたら読書が好きで、国語の成績だけはよかったんです(笑)。日本の文化そのものも好きで、古典や神社などにも昔から興味がありました。その延長で、今回の小説『きらきらし』のモチーフになっている万葉集にも魅了されました。
―― 進学した国学院大学でも万葉集について研究していたんですよね。
宮田 高校2年生のときに国学院大学のオープンキャンパスに行き、「私のやりたいことはこの大学にある」と思いました。それから志望校は変わることなく、国学院大学文学部に進学し、万葉集を中心に日本文学全般を学びました。
―― アイドル活動と並行して大学に通うのはかなり大変そうです。
宮田 履修登録をするときは、アイドル活動のスケジュールと受けたい授業の時間割をパズルのように組み合わせていました。でも、急に仕事の予定が入ってやむを得ず授業を欠席するときは補講を受けたり課題を提出したりしてカバーすることもありました。確かに忙しかったですが、大好きな万葉集について学べたので、その生活はまったくつらくなかったです。